『簞笥』
監督:キム・ジウン
出演:イム・スジョン、ムン・グニョン、ヨム・ジョンア
2003年、韓国
明日(というか今日)はさすがに映画を観に行く時間はなさそうである。ということで、今年公開された映画は劇場で29本、DVDで9本、計38本観た結果となった。
さて、ホラー映画、スリラー映画は作中の怪奇現象について唯物論的な解釈を与えるか否かで大きく2つに分けることができる。サイコスリラーと心霊ホラーというカテゴリーにほぼ相当するといってよいだろう。ただ、このジャンルはもっとも観客の「スレ具合」が目立つ分野だけに、あざとさすれすれの工夫が凝らされることが多いように思う。この映画も『ゴシカ』や『四人の食卓』同様、サイコスリラーなのか心霊ホラーなのかを意図的に曖昧にしたままストーリーが進む。『四人の食卓』が最終的にはサイコスリラー的な解決を与え、『ゴシカ』が最終的には心霊ホラー的な解決を与えるのに対して、この映画は結末に至るまで両者の合わせ技となっている。すなわち、作中の「謎」の一部は主人公の幻覚であるが残りは実際の(というのも変だが)心霊現象である、という具合に。それゆえ、きちんとツボを押さえた演出ではあるものの、やはりあざとい映画であるということになるだろう。
また、DVDに未公開シーンや音声コメンタリーがつくことが習慣化して以来、DVDでの種明かしを前提とした撮影・編集が行われるようになったような印象があるのだが、この映画はその典型であろう。つまり映画それ自体では完結せず、DVDでの種明かしも含めてようやく理解されるようにつくってある、ということである。このジャンルの映画の場合、もともとある程度の説明不足はむしろ余韻として機能するわけだが、あまりにも映画の外部の情報(公式HPやDVDでの情報)に依存するのはいかがなものかと思う。もう少し映画本編でしっかりとした手掛かりを与えておくべきだったのではないだろうか。
しかしキャストの女優3人はいずれもすばらしい。特に『カル』や『H』に続いてこのジャンルでの出演となったヨム・ジョンアは、前2作を遥かに凌ぐ熱演! ようやくあの独特の風貌をいかせる役に出会った、という感じ。
Posted: 金 - 12 月 31, 2004 at 01:17 午前
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