「袴田事件」、特別抗告棄却



asahi.com 2008年03月25日
「袴田事件」再審認めず 最高裁が特別抗告棄却

 静岡県で66年に一家4人が殺害された事件で、最高裁第二小法廷(今井功裁判長)は、強盗殺人や放火などの罪で死刑判決が確定した後に再審を開くよう求めていた元プロボクサー袴田巌死刑囚(72)の特別抗告を棄却する決定をした。24日付。袴田死刑囚を犯人とした確定判決の事実認定に疑いはないと判断した。静岡地裁、東京高裁と同様に再審開始を認めなかった。
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袴田事件については基本的な訴訟記録にすらあたったことがないので軽々には発言できないのだが、ご記憶の方も多いように第一審の三人の裁判官のうち一人が昨年「実は無罪の心証を持っていた」と告白したという、異例の事件である。

朝日新聞 2007年6月26日
「ごめんと言うほか言葉はない」 袴田事件一審の元裁判官、陳述書提出 /静岡県

 66年に旧清水市で一家4人が殺害された「袴田事件」で、再審を求めている袴田巌死刑囚(71)に一審で死刑を言い渡した元静岡地裁裁判官、熊本典道さん(69)が25日、最高裁に陳述書を提出した。自らが書いた死刑判決を見直すため、再審の開始を求める異例の内容だ。「1人の青年が一生を棒に振ったことになる。ごめんと言うほかに言葉はない」。熊本さんは東京都内で記者会見し、心情を語った。
 熊本さんは陳述書で「袴田巌さんがいまだ獄中に囚(とら)われていることは断腸の思い」と強調。「評議の秘密を守らなければならないことは十分理解している」としながら、自らの体力や精神力の衰えを挙げて「41年間獄中にある袴田さんの再審を実現させるには最後のチャンスになると思い、非難を覚悟の上、無罪心証を公表した」と記した。
 無罪と思った理由として、刃渡り約12センチの小刀で4人を殺害したとされることへの疑問や、長時間の取り調べによる自白の任意性などを示した。また、一審の弁護人が起訴前に袴田死刑囚と十分な面会をしていないとして「十分な弁護を受けられなかったことだけでも『無罪』と出来るケース」とも主張している。
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自白の任意性については、心理学の観点からの研究が存在する。

浜田寿美男、『自白が無罪を証明する 袴田事件、その自白の心理学的供述分析』、北大路書房

浜田氏によれば判決は警察による取り調べが「強制的・威圧的な影響を与える性質」のものであったことを認め、警察官面前調書28通すべてを証拠排除した(86-87ページ)。検察官面前調書もあわせると一審で45通の調書のうち44通までもが証拠排除されるという異例の展開(viiページ)にもかかわらず死刑判決が確定したわけである。なお、浜田は袴田事件について『〈うそ〉を見抜く心理学 「供述の世界」から』(NHKブックス)の第四章でもとりあげているので、袴田事件と供述分析のあらましについてお知りになりたい方はこちらが便利かと。

Posted: 火 - 3 月 25, 2008 at 10:35 午後          

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