NHKスペシャル 「日本国憲法誕生」、『憲法「押しつけ」論の幻』


NHKスペシャル 「日本国憲法誕生」 4月29日午後9時〜
小西豊治、『憲法「押しつけ」論の幻』、講談社現代新書

「日本国憲法誕生」は憲法制定過程で日本側、および連合国11カ国の代表で構成される極東委員会の役割に焦点をあてた特集。
・民間の憲法草案、特に「憲法研究会」案はGHQ民政局も翻訳・分析しており、GHQ草案の作成に際しても参考にされた(象徴天皇制のアイデアなど)
・「憲法研究会」メンバー森戸辰男は後に帝国議会の小委員会(秘密会)委員となり、「生存権」条項の追加を実現させた
・同小委員会では他に9条条文の修正、義務教育の拡大なども実現
・極東委員会では9条をめぐって残る懸念を解消するため、ソ連の提案で国務大臣を文民に限定する条項を追加
といったあたりが主な内容。

この「憲法研究会」に焦点をあてたのが小西豊治の『憲法「押しつけ」論の幻』。帯には「象徴天皇・国民主権 その発案者は日本人だった」とあるように、やはり憲法制定過程での日本人の役割に焦点をあてたものである(NHKスペシャルでは、極東委員会が国民主権の確認にこだわったとされていた)。昨年夏に刊行された直後に買って読み始めていたのだが、とりあげそびれていた一冊。タイトルが端的に表現しているような「押しつけ憲法」論への批判は、もちろんよく理解できる。また、現在の憲法が体現している理念のほとんどは当時の日本人(の一部)にも構想可能なものだったのであり、決して突拍子もないものを押しつけられたわけじゃない、ということをしっかり確認しておくことは重要だろう。
ただ、「憲法研究会」の案が結果的に現行憲法に生かされているとしても、帝国政府の当初の改正案* が駄目だしを喰らったことが象徴しているように、国際的な圧力の下で新憲法が制定されたことに変わりはなく、私はむしろ「押しつけられたこと」を積極的に引き受けるというコミットメントが大切なのではないかと思う。

* 敗戦という事態の認識が極めて甘かったことを示す、どうしようもない草案だったのは確かだが。

Posted: 日 - 4 月 29, 2007 at 10:37 午後          

Comments



©