森達也、『放送禁止歌』、知恵の森文庫
以前にとりあげた『下山事件』(新潮社)の著者によるルポ
森達也については『A』のDVDもすでに買っているのだがまだ途中までしか観ていないうえに、いずれ『A2』も買ってから…と思っているものでなかなか観終わりません。
著者よりも若干年下の世代に属する人間としては実感を共有できる部分とできない部分とが入り交じっている。これは現在活躍している1960年前後生まれの書き手一般に言えることなのだが、あまり夜のラジを番組を聞かなかった(音楽はもっぱらレコードを買って聴いていた)という事情もあって、どちらかと言えば「知識としては知っていても実感はない」ということがらが多い。
出版業界における「禁止用語」と同じく、法的根拠を持たないばかりか業界としても決して明文規定があるわけでもないのに、放送されない歌がある。放送されない理由をたどる著者の努力は常に「放送禁止に責任を持つ人間は誰もいない」という結論に至る。丸山眞男が戦後まもなく指摘した「無責任の体系」が今も変わらず存続していることがよくわかる。
Posted: 木 - 8 月 12, 2004 at 12:06 午前
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