今月の開き直り大賞


大量破壊兵器
西武ライオンズ
セクハラ
『キャシャーン』
パクリ

今月初め、米上院の軍事委員会公聴会で行われた報告で、イラクの大量破壊兵器に関するブッシュ政権の嘘が事実上公式に認定された。もちろん、歴史上開戦の理由に関して政治家が嘘をついた例は枚挙にいとまがない。とはいえ、民主制をとる国であれば万の単位の人命に関わる嘘が厳しく糾弾されるであろうことが、本来なら期待できるはずである。だがブッシュ政権は居直り、小泉政権もそれに追随しているわけだ。大量破壊兵器は「見つかると思いますよ。フセインの死体が見つからないからフセインはいなかったことになるんですか?」と国会で答弁したのは誰だったか。
西武鉄道株をめぐる不正問題とほぼ同時に事件化したのが、ダイエーホークスの元社長、高塚猛の強制わいせつ容疑。「しろはた」での情報によると元社長には『抱擁力 なぜあの人には「初対面のキス」を許すのか』という、今となっては恥さらしとしか言いようのないタイトルと内容の対談本があり、日刊スポーツの見出しでは「著書でセクハラをスキンシップと正当化」という見出しをつけられてしまった。「いや、これはスキンシップだ」というのはセクシャル・ハラスメントというカテゴリーが日本に輸入された当時からある定番のいいわけだが、本まで書くとなると尋常ではない。自分の地位に基づく権力に対する他者の恐れを、自分個人の魅力と勘違いしていたのだとすると、なんとも滑稽。さらにセクハラは個人的犯罪とはいえ、長期間続いていたとなれば企業の体質の問題でもある。楽天やライブドアのアダルトコンテンツに文句を付けられる立場じゃなかろう。一方西武の方も、堤義明が虚偽記載を知った時期についてミエミエの嘘をついている。また今になって親会社のコクドがろくに法人税も払わずに済ます会計操作をやっていたことが新聞に載るようになったが、これなど私ですら以前から知っていたことである。同じく、楽天やライブドアの経営手法や経営状態に文句を付けられる立場ではなかろう。
どちらにも共通するのは、「関係者の間では周知の事実だった/噂としては周知の事実だった」悪事が、当事者の転落によって表沙汰になったという点(「栄養費」スキャンダルにもそうした側面があろう)。まあ水に落ちた犬を叩くようなふるまいは日本のマスコミでは毎度のことだが、逆に言えばまだ水に落ちていない犬は叩かれずに済んでいるということでもある。楽天やライブドアの「アダルトコンテンツ」と企業(および経営者)の不正行為、いったいどちらが「青少年」にとって害悪なのか。答えは明らかだと思うが。

『サイゾー』の11月号に紀里谷和明のインタビューが掲載されているのだが、そこで「テーマを台詞で語りすぎ」という『キャシャーン』への定番の批判に対して紀里谷監督が大反論! なぜテーマを台詞で語らせてはいけないのか? それって単なる業界のお約束じゃないか。この開き直りにインタビュアー沈黙…。まあ『キャシャーン』は未見なので現時点でこれ以上のコメントは控えるが、金を払って観に行く観客の視点で言えば、紀里谷監督に対するあり得る答えは「映画だと思って金を払ったのだから、映画として面白いものをみせろ」ということになる。別に台詞が長くてもいいんだけどね。問題は「長台詞を喋る」シーンが映画としていい感じかどうか、でしょ。単なる言語的メッセージなら本の方が価格あたりの情報量が多くてお得だから。マイケル・ムーアの『華氏911』に対してみられた「知ってることばかりで退屈」というのも同じ原理に基づく批判だと言えるが、『華氏911』は初めから新聞も本も読まない人向けに作られているのでちょっとはなしは違うだろう。

最後に小ネタ。以前からほぼ毎日チェックしているサイト、「海外ボツ! News」の記事をまるまるパクったブログがあるということで2ちゃんねるでちょっとした祭りに。よくあることなのになぜ…と思ったら、「コピペのなにが悪い」と言わんばかりの開き直りをみせたうえに、パクられた側のサイトに対して「記事は削除したのだからいつまでも(パクリに関する記述を)載せるな」、批判の書き込みに対しては「病人に対するいじめだ」「ぶった切る」などと完全な逆切れ! しかも問題になったパクリ記事についての釈明ではオリジナルのサイトに「最近たまたま行った」と書いていたのに、実際には過去の記事にもパクリがゴロゴロしている始末。なんとも香ばしいBlogでした。「自分探し系」の行末として最悪の形態の一つじゃないかなぁ。

Posted: 水 - 10 月 27, 2004 at 06:30 午後          

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