「本質」というレトリック
米軍による捕虜虐待と、イラク武装勢力によるアメリカ人殺害事件へのブッシュの反応
アメリカの民間人が武装勢力によって処刑された事件について、ブッシュは「イラクにおける自由の前進を阻止したい一握りの連中の本質を想起させる」とコメントしたとのこと。組織的関与が疑われているイラク人捕虜の虐待については「米国民の本質を示すものではない」と言ってたのにねぇ。
まあ、自分の落ち度は過小評価し相手の落ち度を過大評価するのは政治的プロパガンダの定石であり、両陣営がおこなうことなので、その事自体を非難しても始まるまい。要するに、ニュースを耳にする側がだまされなければいいだけの話し。
どちらの場合も直接事件に関与したのはごく一部の人間であるのだが、一方は本質を表すものとされ、他方は本質とは関係ないアクシデントだとされる。本当に「本質」とは便利なことばだ。アドルノが「本来性」という概念についていったのと同じことがあてはまりそう。
Posted: 金 - 5 月 14, 2004 at 10:05 午後
Comments