他己紹介ゲームによる表現活動


1.はじめに

 私は自分が担当している高校国語関係の講座で「他己紹介ゲーム」を実施しました。

 これは、「学習ゲーム研究会」Webページに紹介されていたものを元にして、ピグマリオンMLの佐藤広子さんからいただいたアドバイスを参考にしてアレンジしたものです。以下は、その実践報告です。

2.手順

(1) 2人1組になり、お互いに2分間でインタビューをし合います。

(2) 質問事項は1つだけ。例えば、「ドラえもんのどこでもドアがあったらどこへ行きたいですか」などです。その理由も尋ねます。

(3) その内容を、ナンバリング・ラベリングを意識したワークシートにまとめさせます。

(4) 2人で前に出てもらい、1分間以内で相手を紹介するというゲームにします。

(5) その際、聞いている人に手を挙げさせ、紹介される人がアイコンタクトをしたら手を下ろすようにします。(佐藤さんのアドバイスです)

<スピーチ用ワークシート> 

 いま、わたしの隣にいるのは        さんです。

              に勤務しています。

         さんは、                    だそうです。

 理由は  つあります。

 1点目は、「                  」です。

 (具体的な説明)

                                 だからです。

 2点目は、「                  」です。

 (具体的な説明)

                                 だからです。

 3点目は、「                  」です。

 (具体的な説明)

                                 だからです。

 わたしは、      さんは

                          な人だなと思いました。

 このワークシートの書式は、先の「学習ゲーム研究会」Webページや『論理的な表現力を育てる学習ゲーム』(上條晴夫編著・学事出版)を参考にしました。

4.結果

 18名の参加者を対象にして行いました。

 参加者はそれぞれ面白い質問を工夫して、相手に質問していました。そして、スピーチはみなさんがそつなくこなしていました。中にぴったり1分間でスピーチを終えた人がいて、これには全員から拍手がわき起こりました。

5.考察

 私は、この実践は論理的な表現力を養うことができる優れたものだと思っています。

 私が一番のポイントだと思う点は、上記のワークシートです。ここには、自分の言いたいことを相手に確実に分かりやすく伝える方法が凝縮されています。まず、紹介する相手に対する質問の答えを述べています。これは相手の個性の最も表れるところであり、これを最初に述べることで聴衆の興味を引きつけます。次にその理由を述べますが、その述べ方にナンバリングとラベリングの技法を使って、聴衆に今何について語っているのか明確に分かるようにしています。これらの技法をワークシートとしてパターン化し、これに沿ってまとめさせることにより、参加者は分かりやすいスピーチに必要な技術を身につけることができます。

 ただ、「他己紹介」はせいぜい1回やれば終わってしまいます。そこで、同じ技法を身につけさせる別の場面、仕掛けが必要になるでしょう。そのようにして、いくつかの仕掛けを継続的に行うことにより、論理的な表現力を着実に身につけさせることができると考えられます。

 実は、参加者の中にこの実践について疑問視する声もありました。確かにこの1回だけでは論理的な表現力を身につけさせることはできないでしょう。1つの技法を育てるには継続して取り組ませることが必要です。そうした一連の指導計画の中の最初として、この実践は価値あるものだと考えます。

<参考文献等>