三陸南部つまみ食いツアー
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もう秋の空(宮戸島)
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日程:2004年8月21日〜26日
行程:
21日 自宅〜常磐道・国道6号・仙台南部道路・三陸自動車道〜宮城県鳴瀬町宮戸島
22日 宮戸島一周(単独) 鳴瀬川河口にてビバーク
23日 カサハラ氏と三陸北上 奥松島〜志津川・歌津・気仙沼 唐桑半島国民宿舎にて泊
24日 気仙沼市唐桑半島西岸・大島東岸ツーリング、岩手県大船渡市へ 吉浜にてビバーク
25日 越喜来半島一周(ワンウェイ 三陸鉄道にて車回収) 志津川港近くでビバーク
26日 志津川〜国道45号・三陸自動車道・仙台南道路・国道6号・常磐道〜自宅
21日:再び東北を目指す。今回は一人。常磐道を北上して一番北の常磐富岡で降り、単調な国道6号線を仙台方面に向かう。石油価格高騰の折り、少しでも安い給油所を見つけたいのだが、浪江町のセルフスタンドはここらへんでも破格に安い。宮城県に入り、亘理から仙台東道路に乗るつもりだが、スーパーで食糧買い出しをして、夕食を済ませて有料道路に乗る。この有料道路、東北道ともつながっているし三陸自動車道につながっていて、仙台の街中を走らずに奥松島へアクセスするには最適な道路なのだが、道路管理が宮城県なのか、道路公団なのか、判然としない。三郷から鳴瀬奥松島まで有料道路代は約6800円。
野蒜海岸の道路脇で車中泊を考えていたが、一応今回のカヤックツーリングの相手であるカサハラ氏に電話したところ、泊まっているコテージに同宿しないかとの提案があり、宮戸島のキュアーズに転がり込む。奥松島でfeathercraft試乗会を行っているA&Fの東村氏も同宿していて、3人でオリンピックを見ながら夜を過ごす。
22日:feathercraft試乗会があるので、私は丸一日宮戸島一周ツーリングに出かける。野蒜海岸側の遊覧船乗り場駐車場に車を停め、カフナを組み立て、駐車場に隣接する海水浴場(といってもジェットスキーのたまり場と化しているが)から出艇。遊覧船に乗っていたカメラおばちゃんの一眼レフに撮影されながら漕ぎ出す。宮戸島を時計回りに漕ぐのだが、一周で20kmくらいか。すぐに二本松島との狭い水道があるのだが、遊覧船が勢いよく飛び出してきたので水道は通らず、二本松島を迂回して東側に出る。奇岩が海面からはえていて、見栄えのする海岸である。船越島で一端上陸、カフナの様子を確認して再び漕ぎ出す。宮戸島の東南に飛び出している嵯峨渓はなかなか圧巻。岬近くになると洞窟・トンネルなどが見られるが、初めてなので岬を回る。回り込むと浜口湾という小さな入り江があり、奥のビーチは非常に良さそう(宮戸島一帯はキャンプ禁止だそうです)。昨夜泊まった大浜地区を過ぎ、月浜地区の海水浴場で上陸。feathercraftの試乗会はここの海水浴場で行われていた。月浜には民宿も何軒かあり、ここを定宿にして自艇を置いてもらっている方もいる。聞けば西伊豆辺りに行くよりも、新幹線利用でアクセスもよく、無駄な時間を過ごさなくていい、とのこと。確かに。車がないとアクセスしにくく時間もかかる西伊豆より、こちらの方がカヤック向きという感じもする。今度新幹線利用で来てみたい。
月浜から先にも洞窟・トンネルが豊富でいくつかくぐってみる。休日はジェットスキーが凄い勢いで突進してくる可能性があるので、くぐる前には注意を払う必要がある。宮戸島と寒風沢(さぶさわ)島の間にある鰐が淵水道に入ると、左右に快適そうな浜が見えるが、水道が狭くなってくると養殖に利用されている入り江が増え、水道を抜けても同じ状況が展開する。宮戸島北西部はあまり面白いところではない。出発地点直前の運河のようなところではジェットのうるささに閉口し(狭いところでは速度を緩めろ!)、釣り人を迂回しながら13時過ぎ一周終了。カフナを乾かして、試乗会の行われている月浜に戻り、片づけを少し手伝って日が暮れた。カサハラ氏・東村氏お勧めのすし屋で夕食。今までのカツオ観が一変するほどのカツオ刺身、シャコの刺身など珍味を食し、鳴瀬川河口の公園でビバーク。
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出艇
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便所サンダル
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嵯峨渓のトンネル
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蝉時雨の中を漕いでます
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こんなトンネルもあった
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23日:朝、東村氏と別れ、カサハラ氏と私の二人旅となる。前線の移動で午後から雨の予報。雨降りの中で組立・解体をするのは気が進まないので、車で要所要所に立ち寄りながら観光ドライブ。国道45号を北上して志津川で太平洋に出て、歌津・本吉・気仙沼へと向かう。駅に近くてカヤックの出艇がしやすいのは、清水浜、大谷海岸。岩井崎で「潮吹き岩」を見学し、気仙沼から唐桑半島に入る;巨釜・半造の奇岩をガケ上から眺め、最南端の唐桑ビジターセンターで津波体験をしたら、雨が降ってきた。ビジターセンターと隣接するキャンプ場は整備されていて立派なのだが、雨が降っては・・
遅い昼食を食べるが、さんま焼魚定食が美味。漁火パークに立ち寄ったり、食糧買い出しをして半島内をウロウロするが、雨足が強くなってきて、今日のビバークポイントの見極めがうまく行かなかったために国民宿舎に転がり込んでしまった。再びテレビのある部屋でオリンピック観戦の夜。
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迫力です
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折石
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24日:天気予報が目まぐるしく変わって、24日は国内で宮城県のみ天気が良い。今まで私もカサハラ氏も互いに雨男になったのか、と嘆いていたが、全国的に考えれば私たちのいる場所だけが好天なのだから、結局私たちは晴れ男なのだ。25日も晴天である。唐桑半島突端の港から、気仙沼大島の東岸の浜に立ち寄りつつ唐桑半島に戻ってくるツーリングとする。港を出ると外海のうねりが大前見島あたりまであるが、それより内側はおだやかである。小前見島に一端上陸、大島の小田浜海水浴場に上陸して民宿街をぶらつき(シーズンが終わって民宿は皆静か)、田中浜へ行って昼食。帰りは唐島を経由して唐桑半島沿岸を南下。定置網が多く、コース取りがむずかしい。唐桑半島の先端に近づくと波が複雑になって苦労するがなんとか出艇場所に着く。カフナの解体をはじめるが、私のカフナのキールバーが曲ってしまい、外すことができない。カサハラ氏に見てもらい、外すことができたが、キールバーは三次元的に曲っていたので交換である。こういう時に専門家がいてくれたのは本当にありがたい。キールバーが曲った原因は、出艇場所のスロープにあった樹脂製のスノコである。
撤収終了直前ににわか雨が降ってきて、あわてて車に乗り込み、漁火パークの風呂(温泉ではない、200円)に立ちより、唐桑半島を抜けてさらに北上する。大船渡のでかいスーパーで買い出しし、旧三陸町の吉浜海水浴場へ。「民宿キッピン」の目の前にある海水浴場駐車場に停めて、津波防止防波堤の向こうにある砂浜でビバーク。ここのトイレは自動で照明がついてボタンで水が出るハイテクトイレだった。宮城・岩手の海水浴場にあるトイレは皆立派である。
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出艇場所スロープのスノコに注意
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組立にもうってつけの台が
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小前見島上陸
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田中浜(結構波はあります)
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カサハラ氏。勉強させてもらいました
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25日:吉浜から半島を巡って三陸駅まで漕ぎ、三陸鉄道で一駅戻ってくる、というツーリングにする。朝一番で吉浜駅(大変立派な駅舎)の時刻表を見に行き、午後1時間に1本の電車があることを確認して再び艇を組み立て、広い砂浜から出艇。組み終わったカフナを肩に担いで長い距離歩くのは苦手なのだが、カサハラ氏は軽々と担いでいるように見える。二人で2艇を運んでも、カサハラ氏と私ではかなりパワーが違うことがわかる。鍛えねば。
漕ぎ出す。この半島が何という名前なのか漕ぎ終わってもわからなかったが、後で調べてみたら越喜来(おきらいorおっきらい)半島というのだそうだ。このあたりはリアス式で湾・半島が交互に並んでいるが、人間が利用する価値の高い湾(どこの湾も養殖が盛ん)の名前がきちんとしているのに対して、あまり省みられず人も住んでいない半島の名前はあいまいである。越喜来半島も、岬の名前をとって首(こうべ)崎半島ともいうのだそうだ。いずれにしても難読地名の一つである。
吉浜湾側を漕いでいくと、増館という小さな集落の下に漁船避難所がある。そこで一端休憩。入り組んだ岩場から滝が落ちていたりして、美観である。ここを出てしまうと、次に休憩できる場所は北里大学水産学部の建物を右手に見つつ、その先わずかのところにやはり漁船の避難所と2軒の建物がある場所しかない。北里大学は水産学部だから船着き場くらい持っているだろうと思っていたが、全くそのようなものは無い。大学も夏休みだから、閑散としたキャンパスに見受けられた。
首崎をまわるころから向かい風が強くなり、外海のうねりが大きくなる。うねり自体は波長が長いものなので問題はないが、苦手の向かい風でカサハラ氏から大きく引き離される。さらに大塩岬を回り込んで越喜来湾に入り、やれやれと思いきや、潮目の連続、合わせ波の連続区間となる。カヤックは漕げども漕げども進む感じがせず、案の定カサハラ氏の姿は見る見る小さくなっていく。シロウトの私が百戦錬磨のカサハラ氏について行かれるとは毛頭考えていないが、せめて見失うことなく豆粒ほどでも姿を捉えて漕ぎたいと思っていた。しかしついに漁船を2隻かわしている間に姿を見失った。ずっと漕ぎながら反省点が浮かんできた。ほとんど上陸せず漕ぎ続けている中でシャリバテ状態に近づいているのを避けるには、PFDにゼリーを入れておけばよかったな(水はPFDの背中に入っていて漕ぎながら吸って飲んでいた。ハイドレーションってやつですね)、とか、合わせ波を漕ぐ練習を積まないとダメだな、とか、そもそもこんなに上陸ポイントが少ない半島を漕ぐ計画を提案したのは私自身で、ロクな地図もないままに提案したのは甘かったな、などなど。
仲崎浜・東崎浜の漁港でカサハラ氏と合流、疲れていたので上陸休憩してもらうことにしたが、漁港脇の小さな浜に寄せる波は時折ブレイクしていた。カサハラ氏に続いて上陸しようとブレイクする波を避けるべく後ろ漕ぎを続けていたのだが、それが弱かった。波のパワーの方が強く、いつの間にかブレイクポイントより前に押し出されてしまっていた。結果は明らかである。カフナごと波にひっくり返され、砂だらけになった。艇を確保するとパドルが離れ、全くまずい展開。ようやく落ち着いてタバコを一服したら、サングラスが波にさらわれていたことに気づいた。もう3年以上も海山で酷使してコーティングもはげかかっているサングラスだが、度つきで標高3000mから0mまで連れていった相棒である。フロートが付けにくい構造なのでつけずに漕いでいたのが過ちだった。さようなら、私のサングラス。
私の疲労が大きいとカサハラ氏は考えてくれたのか、漁港までカフナを運んで再出艇ということになる。残る距離は4km程度なのだが、やはり合わせ波が残っていて、定置網も張り巡らされており、私はバテバテである。ようやく三陸駅近くの漁港脇に上陸、カヤック解体。ふと時計を見ると15時をまわっている。総距離にして20km程度の半島一周だったが、その倍の距離にも思えた。16時の電車に乗るべく三陸駅までカヤックを担ぎあるいはカートで転がして駅にたどり着いて、列車を待つ。三陸駅はコンビニ風売店となっており、待ち時間を潰すにはよい駅だ。
吉浜駅から車まで約1kmを歩き、車を回収、「夏虫の湯っこ」に立ちより(300円)、国道45号を南下、ビバーク地を求めて宮城県志津川まで南下、漁港近くの公園でビバーク。
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ビバーク地
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出艇 砂が細かくまとわりつく
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岬に向かって
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岬近く
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一番難しく厳しい場所では写真は撮れたものではありません
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三陸鉄道ワンマンカー
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二人とも鉄ちゃん入ってます
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しんどかった。結局14日から10日間ほどで東北沿岸を100kmは漕いだ計算になる。しかし東北の太平洋岸も面白いところだ。当初の計画では白神山地の沿岸を北上する予定だったが、それはまた来年以降に持ち越し。シーカヤックで日本の沿岸を巡ると、日本の奥深さがよりわかってくるような気がしている。
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