|
あっという間に初夏のさわやかな季節が過ぎて、梅雨の季節になりましたが、今年の6月は、なにか忙しさの中で過ぎ去りそうで、体調を崩さないように気をつけたいものです。
6・7月のテーマは「愛すること」です。「愛」は決して抽象的なものではなく、常に具体的なものであるために、これは本当に難しいテーマです。また、「愛」は人間が生きることの本質に属することであり、「もし愛がなければ無に等しい」と言われるほど深いテーマでもあります。
古代ギリシャの人々は、「愛」を現すのに、主に2つの言葉を使いました。一つは「エロース」という言葉です。これは、哲学者プラトンが大事にした言葉で、一応、僕はこれを「完全を求める心の働き」と訳しました。
人間は不完全であり、欠けたところをもち、これを補うものを絶えず捜し求めます。プラトンは、たとえば男女の恋愛にみられるものもそのように理解しましたが、それだけではなく、「理想を求める姿」をエロースと呼んだのです。
その意味では、「愛」は向上心の源と言っても良いかもしれません。お互いが高められるような愛のあり方というのもあるでしょう。
もう一つは、「フィレオ」という言葉です。これは動詞の形ですが、たとえば、哲学を英語で「フィロソフィー」と言いますが、それは、「フィレオ(愛する)」と「知恵(ソフィア)のことです。
このフィレオは、一般には「友情」とか「肉親愛」とか言い、自分の肉親のように、なんの見返りも求めないで、いわば「奉仕愛」とでも言うべき言葉です。フィレオは、エロースよりも高貴な愛と考えられていたようです。
しかし、「愛」を現す言葉は、実は、もう一つあります。「アガペー」という言葉です。これは新約聖書が使っている言葉ですが、「慈愛」や「慈しみ」と言われます。ある方は、これを「ご大切」と訳されています。
どんな人でも大切に慈しむ心、これが「アガペー」でしょう。
いずれにしろ、私たちを本当に活かすような愛のあり方をもちたいですね。
|