逆輸入だけが禁止されるのか


 日本国外で作成した商業用レコードの輸入を禁止する権限をレコード製作者に与えようという著作権法改正案(より正確に言うとは、アメリカなどで流通している安くて質の良い(少なくとも自分が持っているCDプレイヤーで再生できるかどうかユーザー側でびくびくしなくともよい)音楽CDの並行輸入すら止めることになりかねないと、私は述べました。しかし、マスコミは、「取材源」の言い分を信じて、この改正案は、アジア向けに出荷した邦楽CDの逆輸入を防止するためのものであるに過ぎないと考えているようですし、普通に新聞を読んでいるとそう信じ込んでしまうようです

 日本国外で作成した商業用レコードの輸入を禁止する権限をレコード製作者に与えようという著作権法改正案(より正確に言うとは、アメリカなどで流通している安くて質の良い(少なくとも自分が持っているCDプレイヤーで再生できるかどうかユーザー側でびくびくしなくともよい)音楽CDの並行輸入すら止めることになりかねないと、私は述べました。しかし、マスコミは、「取材源」の言い分を信じて、この改正案は、アジア向けに出荷した邦楽CDの逆輸入を防止するためのものであるに過ぎないと考えているようですし、普通に新聞を読んでいるとそう信じ込んでしまうようです


 では、その「取材源」は何を根拠にそんなことを言っているのでしょうか。
 もちろん、「取材源」が誰かもわからないので定かなことはわかりませんが、ネット上には手がかりのようなものはないわけではありません。
 文化審議会著作権分科会法制問題小委員会(第4回)議事要旨によれば、同審議会の生野秀年・社団法人日本レコード協会常務理事・事務局長は、「制度上は権利付与については内外無差別という形で考えている。権利者が止めたいのであれば、当該地域のみの販売という表示をし、権利行使しない場合は、その表示をしなければよい。但し、洋盤についてはインターナショナル5メジャーから、止めるようなことはしないという言質を得ている。 」と発言しています。さらに、「それは単に「止めない」と言っているだけで、止める気になればできるという権利をになるのか。 」という質問に対して「基本的には『止めること』は可能ということになる。 」と答え、「内外無差別にしなければいけないので、法律上は世界中の真正商品を商業レコードに関して止めることができるということになるということか。 」という質問に対しても「法律上はそうである。」と答え、それに「ただ、実際の運用では5メジャーの協力を得て現行ビジネススキームを維持しようということである。」と付け加えています。
 つまり、日本国外で作成した商業用レコードの輸入を禁止する権限をレコード製作者に与えようと著作権法の改正を働きかけている人々は、それが邦楽をアジア諸国で生産してアジア諸国向けに出荷したCD等の逆輸入のみを防止するものであって、アメリカ等で正規に流通しているCD等の並行輸入までも封殺することにはならないとする根拠は、『社団法人レコード協会がインターナショナル5メジャーから止めるようなことはしないという言質を得た』というだけのことのようです。
 一国の法律を改正するにあたって、それによって生ずることが予想される「弊害」への対策が、世界中のレコード会社のうちたった5社の人間(どの程度の権限を持った人間かも明らかにされていません。)が、何の権限もない社団法人日本レコード協会の人間に対して、そのような制度ができても自分たちは日本国外で正規に流通させているレコードの並行輸入を止めることはしないと言ったと社団法人日本レコード協会の常務理事が言っていたということしかない───こんな馬鹿げた話は滅多にありません。実際に法改正がなされたあと、インターナショナル5メジャーが、アメリカなどで流通している安くて質の良い(少なくとも自分が持っているCDプレイヤーで再生できるかどうかユーザー側でびくびくしなくともよい)音楽CDの並行輸入を禁止すべく、訴訟を提起してきたら、一体誰が責任を取るのでしょうか。

Posted: (火) - 11 18, 2003 at 10:32      


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