ミュータント戦士編

第40話 シンクロワープ ―同調跳躍―



 今回のサブタイトルは、 ではなく、シンクロワープ —同調跳躍 —であった。30話は未来都市 だし38話は黒い幽霊団 であるにも関わらず、今回、漢字とルビがシンクロしていないのは、きっと何か深い深い理由があるに違いない。どういう理由なのかはよくわからないが。


 さて、撤退中のドルフィン号艦内では、前半のダレ気味の展開を引き締めるべく、ギルモア博士がミュータント部隊の背後にいる(らしい)ガモ博士が001の父親であることをメンバーに話す。
 実は私は、前回ラスト(と38話)でガモを登場させちゃうと、例えば、
002「ゼ、001、お前がブラックファントムを足止めしといてくれりゃ、一気にケリがつけられたのに……。肝心な時に何やってんだよ!」
001「……」
ギルモア「よすんじゃ、002」
002「けどよォ」
ギルモア「あの男は、ガモは、001の父親なんじゃ」
一同「な、何だってー!」
のような展開になった時のインパクトが半減してしまうのではないかと、余計な心配をしていたのだが、余計な心配だった。(夏休みなので書いておくと、杞の国の人が空が落ちてくるのを心配した故事にちなんで、余計な心配のことを“杞憂(きゆう)”といいます)
 ちなみに、002〜9がこの事実を知らなくても、以降の展開にはほとんど影響しない。

 何はともあれギルモア邸。
 科特隊とかウルトラ警備隊とか(古いね。今のはEYESとかゆーらしい)なら、基地に戻って作戦を練るのは定番な展開だろうが、ギルモア邸は基地ではないので、レーダーとかが設置されているわけもなく、交代で周辺を見回る羽目になる。ギルモア邸のど真ん中にテレポートでもされたら見張りの意味自体ないし(というより戦力が分散しているので逆に不利である)、ドルフィン号で洋上を漂ってた方が状況の変化に対応しやすいと思うのだが、何というか、緊張感のない連中である。
 で、作戦会議(?)の結論は「こっちから仕掛ける」になるのだが、現時点で判明しているのは、ミュータント部隊の拠点がサンクトペテルブルグ市内にある(らしい)ということぐらいで、情報量は前回とほとんど変わらない。ミュータント部隊が00ナンバーのタイミングに合わせて出迎えてくれるなどと004が予期していたと考えるのは都合が良過ぎるので、「仕掛ける」と言いながら、また市内観光をするつもりだったのだろう。(サンクトペテルブルグは観光都市であり、一日や二日で名所旧跡を網羅なんかできないので、気持ちはわからなくもない。とはいえ、緊張感のない連中である)

 ところで、ドルフィン号ってどこに格納されているのだろう。砂浜がパカッと開いてせり出してきたりとかするんだろーか。
 個人的には、3〜8話での崖の割れ目(?)に収納されているドルフィン号の描写が結構好きだったのだが……。


 とにもかくにも、サンクトペテルブルグを目指すドルフィン号。一方、ミュータント部隊は、無人島で待ちかまえてこれを阻止する。このままドルフィン号がサンクトペテルブルグに行ってしまうと、まるでデジャ・ヴのように同じところをグルグルと回ることになってしまうが、実際は、螺旋階段のように少しづつ上がっているからであろう。

 00ナンバーvs. ミュータント部隊、第二ラウンド。前回とは打って変わって鮮やかな戦いっぷりの00ナンバー。
 惨敗→チームワークで逆転、のパターンは、平ゼロのお約束なのかも知れないが、シリーズも終盤だし、このパターンにも飽きた。たまには、最初から圧倒的優勢→油断もしくは敵の新兵器等によって一転してピンチ、のような変奏の試みぐらいはあってもよかった。(今回だけに限れば、そういう展開だったとも言えるが)
 ていうか、前回の前半に今回の後半をくっつけて一話分でまとめとけば、かなりスピード感のある展開になっていたのではないかと思うのだが、どんなもんでしょう。

 最後に、シンクロワープ というか同調跳躍 というかシンクロワープについて。
 意識の同調が時間を越える力を生むという点については、そういう設定なんだからケチをつけても仕方がないとは思うのだが、微妙に釈然としない。
 特に、「ギルモア博士が危ない!」という意識は、強烈に現在という時間に結びついているわけで、いくら意識が同調しているとはいえ、素直に考えれば、時間を超えるのを妨げる方向に働きそうに思えちゃうのだ。42話では、目指す場所(時代)を心に念じることでシンクロワープを成功させようとする描写があるだけに、なおさら違和感がある。
 更に、ミーが八人同時にシンクロワープさせるのは困難と判断して、009一人にターゲットを絞るが、相手が一人でも可能なら、それを“シンクロ”ワープと呼ぶこと自体無理がある。(ミーが相手の意識に同調する、という意味なのだろうか)
 製作者側が、“シンクロ”という設定をオイシイと考えたことは察しがつくが、消化不良気味で胃にもたれる。
スポンサーに製薬会社はなかったの思うのだが……。


(2002/8/20)




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