マグネトロン・ウェーブである。なんかカッコイイ語感だ。
マグネトロンは、電子レンジのマイクロ波(前回参照)を発生させる装置なので(レーダーにも使用される)、素直に考えれば、マグネトロン・ウェーブ=マイクロ波である。(てことは、前回の「超高温熱電波(熱伝播?)」はマイクロ波を使った兵器ではなかったのか。ひょっとして遠赤外線焙煎?)
が、ギルモア博士が平気だったことを考えると、マグネトロン・ウェーブは、10話に登場したマッド・マシンの延長にある兵器のようだ。電子機器を破壊する作用を持つとすれば、一種の電磁パルス兵器だろう。
電磁パルス(EMP)は、核爆発によって発生することが知られている。冷戦時代に行われた高度数百メートルでの核実験では、軍事施設を含む付近一帯の電子機器が一斉に使用不能になった。
もし、核爆発を伴わず高出力で電磁パルスを発生する兵器(電磁パルス爆弾)が実用化されれば、人的被害を最小限にとどめつつ、効果的に都市機能を麻痺させることが可能だ。(例えば、東京都内の電子機器が一斉に使えなくなった場合を想像して欲しい。銀行のATMもあなたの家のパソコンもテレビ局も最近の自動車にも電子機器は使われている)
そんなわけなので、ある日突然「幽霊島」の更新が止まった場合、私の居住地域が電磁パルス攻撃を受けた可能性大である。
さて、ダイマンタ指揮官フレゲーであるが、一見前回登場したブラックゴースト指揮官ゴジェム(仮名)と同一人物のようだが、よく見ると、顎ヒゲが泥棒ヒゲ(?)になっていたりして、微妙に顔が違う(性格も違うし声も違う)。
我らが『サイボーグ009』制作スタッフの皆さんが登場人物の顔を間違えるなどという情けない過ちを犯すとは私には到底考えることができないので、ゴジェム(仮名)とフレゲーは別人であるに違いない。(似ていることは確かなので兄弟だろう)
兄フレゲーがアフリカ方面統括司令官、弟ゴジェム(仮名)がフレゲーの下でムアンバにおける実戦指揮を担当したと考えれば(弟の方が貫録があるが、世の中そんなものである)、フレゲーがムアンバにおける失態をスカールに釈明するのは当然だし、直接指揮を取っていない以上、処刑されないのもうなずける。一方のゴジェム(仮名)だが、閣下の手を煩わせることなく兄フレゲーによって処刑された可能性もあるが、この点については取りあえず留保する。
ダイマンタは、ドルフィン号の位置を特定するため、ソノブイを投下する。
ソノブイは、文字通り、ソナー付きのブイ(浮き)であり、海中の音を収集して海上の偵察機等(この場合はダイマンタ)に送信する装置である。(ソナー等、「深海戦の基本」については観察日記第9話参照)
ここで疑問。ドルフィン号が気配を消した時点で位置を見失っているので、ソノブイにはパッシブソナーが搭載されていると思われるが、アクティブソナーではいけないのだろうか。
アクティブ・ソナーの最大の欠点は、ピンを発した自分の位置が相手に知られてしまうことにあるが、ダイマンタは海上にいるし、すでに爆雷攻撃を始めている以上、ソノブイの位置を特定されたところで支障はないはずである。海底面でピンが乱反射するかもしれないが、ドルフィン号の機体とは音の反射率が異なるだろうから、複数個のソノブイからのデータを解析すれば、ピン一発でドルフィン号の位置は特定できるのではないだろうか。
ちなみにパッシブの場合であっても、魚雷発射管の注水音はもちろん、爆雷爆発による反響音からかなりの手がかりを得られるだろう。
厳密には温度躍層をまたいだ探知は、アクティブだろうがパッシブだろうが困難なはずだが、ブラックゴーストの技術力があればその程度は回避できる。
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海面から深度100〜400m ぐらいまで(海域や季節によって異なる)は、風や波などの影響で海水が撹拌され、水温がほぼ一定の混合層がある。
中・深層は、北大西洋や南極周辺で冷却され沈降した冷たい水の層。(この水がいわゆる深層水) この間に温度の急激に変化する温度躍層と呼ばれる領域がある。水中での音速は、水温や水圧によって変わるため、この層では音は直進せず(または反射する)、温度躍層をまたいだ探知はほぼ不可能である。 ソノブイAは、混合層にいる敵艦を探知できるが、中・深層にいるドルフィン号は捕捉できない。 そこで、ソノブイBでは、ソナー部分を切り離して、温度躍層の下までケーブルを伸ばして吊り下げている。こうすることでソノブイBはドルフィン号を捕捉し、同時にその情報をダイマンタに送ることができる、はずだ。 なお、本物のソノブイの構造は見たことないから知らない。 |
ソノブイについては置くにしても、爆雷(ただ沈んで爆発するだけで命中率は低い)投下は疑問である。位置を捕捉した段階、初動攻撃でホーミング魚雷(ソナーを搭載している。9話でも使用された)を使っていれば、ドルフィン号にかなりのダメージを与えることができたかもしれないのだ。
どうやら、「生死を問わず」という閣下の御言葉にも関わらず、フレゲーは、裏切り者たちの生け捕りにこだわっているらしい。なぜか? もちろん、功名心に溺れた結果とも受け取れるが、ここでは、もう一つの可能性を採用したい。
すなわち、フレゲーは、弟ゴジェム(仮名)を処刑するに忍びず、自分の手柄と引き換えにゴジェム(仮名)の助命嘆願を申し出るつもりなのである。そう考えれば、「よくやった。感動した」というトンチンカンな台詞も、「これで弟の命が助けられる!」という内面の喜びが思わずほとばしった結果として、微笑ましく受け取ることができよう。
ああ、それにしてもなんと美しい兄弟愛であろうか。(いろんな意味で涙)
一方、ドルフィン号の面々。そもそも彼らの最終目的は「ブラックゴーストを倒す」ことであり、せっかく向こうから攻めて来てくれたのに、さしたる戦術的理由もなく海底に息を潜めてやり過ごすというのは、本末転倒二律背反気息奄々な振る舞い、何がしたいのかよくわからない。
例えば、「敵は海の上にいるんだ。こっちも浮上して反撃しようぜ」と言う002に対して、
004「ドルフィン号は変形の時、無防備になる。ブラックゴーストの奴等だってそれぐらいは知ってるだろう。迂闊に浮上して敵の集中砲火を浴びたら、俺達に勝ち目はない。今はとにかくチャンスを待とう」一方、ダイマンタのブリッジ。
007「俺達が御陀仏さんになる前にチャンスが来りゃあいいが……」
002「チッ」
何も言わず、天井を見上げる003。
フレゲー「早く出てこい、裏切り者ども。ダイマンタ特製メガレーザー砲(仮称)で八つ裂きにしてくれるわ」みたいな場面でもあれば、004の戦術も妥当なものとして納得できるし、痺れを切らした002の行動も「外の様子を見る」ではなく、「敵を撹乱してドルフィン号浮上のチャンスを作る」ためであり、もうバカっぽくない。(002の足がまだ完治していない的スパイスを振りかけてみてもいい。立ち上がる時に「うっ」と顔をしかめる002に、ちょっと迷ってから「頼む」と、ボソッと言う004、云々)
士官「ドルフィン号、潜航してます」
フレゲー「持久戦に持ち込む気か。燻り出してやる。爆雷をじゃんじゃん投下しろ!」
9話では、音響魚雷で003の耳を潰すなんて芸当を見せた同じ脚本家が、今回は003の能力を忘れてしまったかのような場面があったり、9話も含めて妙にマニア受けしそうな専門用語が飛び出す割にはどうも中途半端だったりで、マニアックというよりエセマニアックな内容だった。
別に科学的論理的に常に正確じゃなきゃイカンと言いたいわけでもないのだが(普段ごちゃごちゃ書いているのは、基本的に個人的趣味です)、専門用語なんぞ羅列する前にもっとしっかりしたストーリーを作り込んで欲しい。
それとも、専門用語をデコイ代わりにして視聴者をケムに巻く戦術だったのか?
今週の001
いいから、喋ろうよ。(泣)
(2002/2/7)