第8話 トモダチ

 
 


 今回、0013の東京出現が、実はブラックゴーストの壮大なデモンストレーションだった、という意表をつく(はずの)展開で幕をあける。
 スカール閣下の説明によれば、透明ロボットにはステルス迷彩なる技術が施されているらしい。一方、やはりブラックゴーストが開発したドルフィン号もステルス処理というのがされているらしいが、レーダーに映らないドルフィン号(008の台詞)と、目には見えないが思いっきりレーダーに映る(前回のタンカーが襲われる場面)透明ロボットに、同じ「ステルス」という用語を使っちゃうのはどんなものか。
 もちろん、ドルフィン号のステルス処理(おそらく現実のステルス戦闘機に使われているものの延長にある技術。これは、機体の形状とレーダー波を吸収する塗料、排気を強制冷却する技術等によって、レーダーから "見えない"。厳密には "見えにくい" のだと思うが、よくわかりません)と、ステルス迷彩(光の屈折率を変化させることで肉眼では見えなくなるそうです。でもレーダーには映る)は、名称が似ているだけで全く別物と解釈できるが、お子ちゃまも見ているアニメなわけだし、無意味に紛らわしい。(前回のタンカー襲撃場面で船員に「何かが波をけたててこっちの方に向かってきてるのに、レーダーに映ってない!」とか言わせとけば済む話だとも思うが)

 ネットで検索かけた限りでは、どうも「ステルス迷彩」というのは、ゲーム用語らしい。(違ってたらごめんなさい。以下数行無視して下さい)
 多分、スカール閣下が某ゲームにはまった挙げ句、「この透明技術をステルス迷彩と名付けよう。ふわっはっはっはっは」ということでネーミングしちゃったんだろうが、そういうセンスってどうよ。(SF用語として定着してるんならいいと思うけど、どうなんだろう)
 どうせイタダキなら光学迷彩(もしくは熱光学迷彩)の方がカッコいいと思うし、SF用語としてもこっちの方が認知されてるような気がするんだが。(こういうのが気になる俺のセンスってどうよ。ズレてる?)
 ゲームばっかりやってないで、たまにはマンガも読みましょうね、閣下。『攻殻機動隊』とか『サイボーグ009』とか、参考になること間違いありません。

 名称はともかく、透明ロボットのステルス迷彩は、光熱弾(高熱弾?)の一発で呆気無く破られる。ギルモア博士は、「完全に見えるようになるわけではない」みたいな言い方をしているが、少なくとも数時間以上光熱弾の効果が持続している。というより、ステルス迷彩の機構自体が破壊されてしまったように見える。一時的に姿が見えてしまう程度ならともかく、これではスカール閣下がのけ反るのも無理はない。
 有効な対抗策が存在してしまうステルス迷彩という技術に、兵器としての商品価値はない。(ていうか、レーダーに映ってる時点で問題だと思う。ていうか、最初から地中を高速移動できる巨大ロボットとして売り込むべだったのではないか) 
 ちなみに実在のステルス戦闘機は、その原理がわかっても有効な対抗策(つまり、探知する方法)がない。だからこそ優れた技術なのだ。
 まさか、ブラックゴーストの技術陣ともあろうものが、「ステルス迷彩にそんな対抗策があるなんて思いもよらなかったなあ」なんて言い出すとは思えず、最初から穴だらけかつコケ脅しの製品を(意図的に)売り付けて、ぼろ儲けしようと企んでいたに違いない。(実際の戦場では、コケ脅しにもそれなりの効果はあるが)
 まさに悪徳商人の名に恥じぬ行為である。

 悪徳商人ブラックゴーストの悪巧みを正義の味方サイボーグ戦士が粉砕して、スカール閣下が赤っ恥をかくのは理の当然……。
 て、本当にそれでいいのか。
 閣下がピエロに見えちゃうんですが。(閣下のオーバーアクションにケチをつける気はありません)
 各エピソードの最後に敵の幹部が地団駄を踏むっていうのは、ヒーロー物ではありがちなパターンだし、お子ちゃま受けもするだろうが、ブラックゴースト(とスカール)をちょっと間抜けな(あるいはドジなあるいはカッコ悪い)悪の組織(と幹部)として印象づけちゃうような今回の見せ方には、大いに疑問を感じる。
 それとも、そういう位置付けでブラックゴーストを描いていくつもりなのだろうか。その流れで、ヨミ編いっちゃうの?(泣)

 コズミ博士を餌にしてブラックゴースト自身が、ドルフィン号 vs. 0013ロボットの戦闘を画策してもよかったんじゃないか。(コズミ博士誘拐の動機としてもその方が自然な気がする。今までの戦いは、あくまでもブラックゴースト側の裏切者抹殺作戦であり、ブラックゴースト独自の作戦をサイボーグ戦士が邪魔したことがあるわけではない。「作戦を邪魔されないため」と考えるのは、この時点で考える限りスカールの被害妄想に近い。)
 ともかく、ロボットが勝てば一石二鳥で裏切者を葬れるし、負けても妥当な投資の範囲だろう。
「御覧ください。赤コーナー、我がブラックゴーストの誇る最新鋭ステルス迷彩ロボット、0013〜。青コーナー、ブラックゴーストが日本の某団体に試作品として提供した万能戦艦、ブラックファントム〜!(ドルフィン号のことね)」とか閣下が言っちゃえばよい。
 どっちが勝とうがどっちもブラックゴースト製品である。
 前回もチト触れてるが、顧客が本当に見たいのは、一方的な性能の誇示ではなく、実際の戦闘局面における稼動性能であるはずだ。そういう意味で、ドルフィン号 vs. 0013ロボットというのはデモンストレーションとして願ってもない舞台設定である。集まった死の商人の方々もこぞって買い注文を入れるに違いない。
「我が社は、ロボットを1台予約する!」「こっちは、万能戦艦の方を2台だ!!」と大騒ぎになってる後ろの方では、電話に向かって「首相! A国もB国も今回の新兵器を購入するようです。我が国としても、国家予算を削ってでも購入しなければ奴らに差をつけられますっ」と怒鳴ってるのが居たりして、ブラックゴースト的にはウハウハとなること間違いない。
 そういう、悪の組織としての凄みを感じさせるような所を見せてはくれないだろうか。原作の「ベトナム編」では、ベトナム戦争の戦場自体を兵器の実験場に見立てるようなことをしているのだ。
 平和ボケしてる平成版スカール閣下の才覚では、無理な相談なのだろうか。(涙)

 ていうか、007がランチャー背負ってカァカァ言ってましたが、光熱弾ぐらいドルフィン号から発射できないんですか。(泣) 万能戦艦の名が泣くよ。ブラックゴースト製だけあって、「万能」もコケ脅し? 何のためにドルフィン号が発進したんだかよくわかんないです。透明ロボット分析のため?
 ていうか、ドルフィン号をそういう使い方するんだったら、最初から「情報収集兼分析用の高速艇(多少の戦闘能力アリ)」ぐらいで設定するべきだったんじゃないの。(ヨミ編でもこの設定で通用すると思う)
 それとも、今後、万能戦艦らしい使い方を予定してるんでしょうか。
 
 
 

つづく

(2001/12/5)

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