今回さり気なくドルフィン号の塗装が完了していた。
どう考えても、9、4、7が0012と戦っている最中に、他のメンバーが塗装作業を続けていたとしか思えない。当然夕食も3人抜きで006の中華料理を食ったに違いない。(余談だが、007の006に対する評価が「ゲテモノ料理人」から「インチキラーメン屋」に格上げされていた。なんだかんだ言ってもそれなりに評価しているようである)
仲間意識が希薄とか、コズミ博士が誘拐されている状況で呑気すぎるとか、色々と批判したくなるが、ここはあえて、戦略担当008の慧眼に拍手を送りたい。何しろあの塗装でドルフィン号が発進しても(次回発進するみたいだ)、カッコよくないし、かなり恥ずかしい。世間の物笑いになるだけである。この点を見越して、謎の屋敷(0012)の調査を三人に任せ、他のメンバーで塗装作業の完成を急いだ、その判断力は見事と言うしかない。
ただ、難を言えば、どうせなら2、6、7を屋敷調査に向かわせた方が塗装作業がはかどったと思うのだが。
以上、前回に対する後追いツッコミ。
さて、第7話で個人的に思わず頭を抱えてしまった台詞を列挙する。
002「匿名の捜索願いでも警察は動いてくれるんじゃねえのか」
スケア「この写真じゃ気付かなかったが……」
007「何でもかんでもブラックゴーストに結び付けるのは悪い癖だ」
007「足跡だけでそんなもの(ロボット)がいると考えるのもどんなもんだか」
上の台詞がない場合を想像すればわかってもらえると思うのだが、これらの台詞によってツッコミポイントがことごとく潰されてしまった。要するに、視聴者が「?」と思うであろう部分で、登場人物が「?」を代弁する(別な言い方をすれば、登場人物がストーリー上の不自然さにツッコミを入れている)ことによって、視聴者の「?」が大幅に軽減、もしくは消滅してしまう。
もちろん、「何はともあれ、警察に捜索願い出して公開捜査とかしてもらえばよっぽど有益な情報が集まるんじゃないかなあ」、とかは言えるが、002に先回りされてぼやかれた以上、突っ込んでも空しいだけである。
上にあげた台詞が全てツッコミ防止を意図しているとは言わないが、少なくとも二つぐらいは「ここは突っ込まれそうだから予防線を張っておこう」てな感じで書かれているように思う。(5話のときにぐだぐだ書いてますが、要するにこういう配慮をして欲しかった、ってことです)
そういうわけで、今回は細かい配慮の脚本に敬意を表してツッコミません。(実は、私は紳士的な人間である)
ところで、001のお守って誰がしてるんだろう?
と、これで終わっちゃうのも寂しい。
放送では、0013が登場!……したようなしてないような(透明だし)。
ともかく、ブラックゴーストの00ナンバー・シリーズのサイボーグの開発は、0013で終了(原作通りなら)であるので、これを記念して、過去の「裏切りサイボーグ抹殺計画」の成果について検討してみたい。今更な話題だが、実はブラックゴーストの内部資料の入手に成功し、この資料の分析によって新たな事実が判明したので、ご了承願いたい。
その1 0010電撃攻撃作戦
そもそも、なぜ最初から0010プラス、マイナスの二人で攻撃を仕掛けなかったのか。この作戦が失敗に終わった主原因がこの点にあると、誰もが考えることだろう。だが、ブラックゴーストにとって作戦は失敗していない。0010は、別に遊んでいたわけではないのだ。では、何をしていたのか。
プロモーションビデオを撮影していたのである。
考えてみて欲しい。ブラックゴーストは、裏切りサイボーグを抹殺するための組織ではない。あくまでも、死の商人=武器商人である。
ブラックゴーストの顧客にとって、実用性が未知数のサイボーグという新製品に高い金を払うことはそう簡単に決断できるものではない(不景気なのでなおさらである)。サイボーグという技術が優れていることは認めても、問題は兵器として使えるかどうかなのだ。そういう不信の目に対して、実際のサイボーグ同士の格闘戦の模様(撮影:0010プラス)を上映することほど効果的なものはないであろう。ご記憶の通り、0010マイナス
vs. 我らがサイボーグ戦士の激闘は凄まじい迫力があり、プロモーションビデオとしての効果もはかりしれないものがある。
もし、私が武器商人で、このビデオを見せられれば、即座に購入を決断する。(残念ながら私の財力を持ってしても、購入には9999億9999万9996円ほど足りない)
以上のように、裏切りサイボーグ抹殺には失敗したものの、プロモーション用の貴重な素材が得られたことを考えれば、総合的に評価して電撃攻撃作戦は成功である。
その2 0011涙雨作戦
『観察日記』5話では、少々冷静さを欠いてしまい、重要なポイントを見落としていた。(反省) よく考えたら、00ナンバーシリーズは、実験用サイボーグなのである。
009、10において人間型サイボーグの基本設計を完成させたブラックゴーストが、その発展型として非人間型サイボーグ――0011の開発に着手するのは当然の成りゆきである。脳とメカニックをリンクさせる技術が手に入った以上、大型兵器の制御に人間の脳を使うことも可能なはずだ。うまく行くかどうかわからないけど、とりあえずやってみよう、という安易な発想で製造されたに違いない。
結果的に脳制御下とコンピュータ制御下で、目立った性能差はあらわれず、コストを考えれば最初からロボットを作った方がよかったという結論が出てしまった。が、もともと00ナンバーシリーズ自体が実験台であり、生死の賭かった実戦下での貴重なデータは、今後の開発計画にも大きく寄与するのは確実で、実験台として充分な成果をあげたと言える。また、サイボーグ開発における最大の問題点であった、サイボーグの自発的意志による「命令拒否」「裏切り」に対する有効な打開策として、オーバーライド機能が完璧に動作したことは、この作戦における最大の成果だろう。(ていうか次回の伏線じゃ……ないよね)
以上、総合的に評価して涙雨作戦は成功。
その3 0012ビックリハウス作戦
『スタートレック』(旧TVシリーズ)に、地下都市だかの制御中枢としてスポックの脳を使う、というエピソードがあったが、0012の開発意図も同様の目的がある。
要するに、0012の開発は、軍事施設や空母などをまるごとサイボーグ化(脳制御化)し、有機的な防御/迎撃システムを構築するための第一歩と位置付けることができる。
ブラックゴースト側がこの作戦の結果をどう評価しているのか不明だが、基礎データの収集によってそれなりの成果があったものと予想される。
今回の情報提供者は、「首脳陣に残っていた一抹の人間性が排除され、ブラックゴーストのより一層の発展が約束されたことが、この作戦の最大の成果」とコメントしているが、どういう意味なのかよくわからない。
なお、本稿執筆中に情報提供者であるイアーゴー氏が失脚したという未確認情報が飛び込んできたのだが、詳細は不明である。
蛇足。
原作におけるかかしの名前が、アニメ版ではスケアと変更されているが、スケア=scarecrow(かかし)の略であろう。
さすが平成版、細かい所がモダンになっている。
(2001/11/29)