三宅伸の顔について考える

いろんなとこで書いてますが、私が三宅伸を認識したのは、京都に住んでる時に、西宮記念のテレビ宣伝を見た時です。そこでは前節後節合わせて何人かの有力選手の顔写真がパッパと出た。それをボケーと見ていたら、いちばん最後に三宅伸が出たのである。それがなんかすごかったんだ。他の選手は証明写真みたいなバストショット写真であったのに対し、三宅伸はどういうわけか顔面のみでブラウン管を満たしていた。あれはなんかのミスだったんだろうか。でもそのブラウン管を満たす顔はぱんぱんに満ち足りていて、ニコニコしていて、「こいつはすごい」と思ってそれ以来のファンなんです。つまり、顔から入ったファンです。


そんなわけなので、三宅伸の顔のことはいっつも考えている。三宅伸にはいくつもの顔がある……とかいうとなんか多重人格者よばわりしているみたいだ。三宅伸は三宅伸で確固としたモノで不動なのだが、顔の表情が何種類かあることがわかった。それをここで紹介しようと。してどうなるってもんでもないですね。競走に関係ないし。ま、いいさ。


1・春はあけぼの

 この写真が好きなんで最初に出してみました。でも三宅伸をふだんから見てる人じゃないと「何がいいんだ」ってことになりそうですな。ふだんから見てる人でも「こんな顔のどこがいいんだ」と言われるか。
 伸ちゃんの笑顔がいいというのは定説となっていますが、一口に伸ちゃんの笑顔っていっても、これが何種類かあるのだ。

「ニタリ苦みばしった笑み(ほんとだってば)」

「テヘヘヘお人好し笑い(これは万人ナットク)」

「ポカンなんかあったの?笑顔(これもナットク)」

 があり、それらがブレンドされていろんな笑顔をつくるわけですが、この写真はそのどれでもないんです。その笑顔のむこうに感情を感じさせない純粋な笑顔であって、こういうのはけっこう珍しいんです。で、その笑顔がまた、ふわーんとしていて「口どけのよい、ほんのりした甘さの粉砂糖」みたいになるってのが伸ちゃんの伸ちゃんたるゆえんでして、たまーに見せてくれるこの笑顔にわたしゃもーめろめろです。

2・ダンディズム

 これこれ。この口もとを見てください。三宅伸は笑うと口が(向かって)右側にちょっとゆがむんです。
 「口をゆがめて笑う」というのはハードボイルド小説の探偵とかがカッコつけてやったりするものですが、三宅伸の口がゆがむのはそういうのとはたぶん無関係であろう。彼とてカッコつけて顔をつくる時はあるが、そういう時の顔はコレではない。リラックスした時のほうが口がゆがむし。しかしこの写真、目もなんかちょっと横目で、ちょっとクールな表情(笑っているから、とくにそう感じる)であります。伸ちゃんはほのぼの人間であるともっぱら言われてますが、こういう顔みると「ほのぼのばかりでもないんでは」と思わされる。ああ見えてけっこうヤル時はヤルという伸ちゃんなのではないか。ヤルって、いやべつに何をヤルのかは定かじゃないが。

3・アメリカ人

 私、昔阪神ファンだった時代があったもんで(ブレイザー〜中西太監督時代だ。あー懐かしい)、『阪神タイガースの栄光の歴史』とかそういう本をたくさん読んで「阪神タイガース往年の名選手」は、古くは景浦将からほとんど知っている。当然、三宅秀史のことだってよーく知っている。

 背番号16の三塁手。フルイニング連続試合出場700!で歴代一位。この人がすごいハンサムなのである。この人ハーフなのだろうかと思うような日本人離れした男前。当時、山本和行という一重まぶた和風顔の選手を愛していた私だったが、そんな私をして「おおーすっげーハンサム! 映画スターとかにスカウトされてもぜんぜんおかしくない」と感嘆せしめるほど三宅秀史はいい男なのだった。ハンサムで、ほっそりしてて、物静かなたたずまい。三宅秀史のあとに背番号16をつけたのが岡田彰布だが、「岡田にゃもったいねえ! もっとハンサムな選手にやれ!」と怒ったりしたもんです。

 で、後年、三宅伸を好きになって、その三宅伸があの三宅秀史の甥であることを知った時は「ああー、そうか、たしかに!」と思いました。だって私は三宅伸て日本人離れしたハンサムだー、今の日本にこんなハンサムはおらんー、と思ってましたもん。今も思ってます。はい。

 で、三宅伸はアメリカ人みたいである。

 この写真なんかとくにそう。

 三宅伸って、競輪ファンのオヤジでも、おっかけファンの女の子でも、報道関係者でも、選手会関係者でも、誰もが口を揃えて「すごくいい人」って言うんだけど、いやもちろん私も三宅伸はいい人だと思うけど、はたして「それだけ」だろうか。

 私は三宅伸を巨大な風船とか巨大なスポンジに例えることがある。大きくてふわふわしてるというのもあるが、「ポンとはねとばされる」というイメージもあるんですよ。ここは三宅伸研究においてまだ私も明確に言語化できてない部分なんですけど。

 道でアメリカ人に会って、話をするんだけどお互いコトバがわかんなくて戸惑っているという感じ。それも、戸惑ってるのはこっちだけ。むこうは堂々とエイゴのみしゃべっている。体もデカくて顔とか上のほうにあるもんでよく見えない。こういう感じ(誤解されそうだなあ。これは三宅伸の日本人離れした大陸的精神を称賛しているつもりで書いてます)が、三宅伸を見ていてふとよぎることがあり、その感じをこの写真はよく表してるなと思ったわけであります。それにしても、三宅伸の髪型とかファッションとかって、黒人ラッパーみたいだけど、三宅伸とラップって、すごく遠いモノだよなあ。あんな早口は三宅伸には不可能だ。

4・デルモ

 まるでモデルみたいー。ということでチョイスされた写真。

 よく見ると隣りに小川巧様がおられます。ここは三宅伸の顔面考なので巧様の写真はカットしちゃってもいいとこなんですが、あまりにも対照的なカッコよさぶりを見せてくれてますんで、カットするのはやめました。ファッションといい顔といい、天と地……じゃどっちかが悪いみたいだな、太陽と月、南と北、りんごとみかん、ごはんとパン、のように対照的。いやーコレついつい巧様について論じたくなるな。だってこの紫ジャージ、この物凄いやつをこうまで「これしかない!」って着こなすってやっぱりタダモノじゃないよ巧様。あー顔もカッコええー(と身悶える)。あ、巧様の左ポケットになんか入ってますね。サイフか? タバコ……ではないか? 

 で、三宅伸の話に戻って、これ、モデルですよ。服のコーディネイトもモデルの普段着くさい。まあモデルにしちゃ太いかもしんないが。モデルっていってもパリコレとかハイファッションの世界ではなく、イトーヨーカドーの広告風ではありますが、そっちのほうが私は趣味だしな。なによりこの笑顔がスーパーのチラシ風でグッドだ! 新春大感謝セール、男性用フリースジャケット、千八百円を九百円で! という笑顔。こりゃたまりません。

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