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3月10日(火)、午後四時より、梅田新阪急ホテルで『平成十四年近畿管内登録選手表彰式競輪選手とファンの集い』が盛大に執り行われました。
近畿の表彰式に私が初めて出たのが7年前だかのやつで(まだ近畿競輪ファンクラブもなく、新聞で参加者募集してた)、その時は参加ファンに「お車代」をくれたんですよ。私は高松からの参加で、お車代の袋に一万円札が入ってたのにはたまげた。その後、お車代はどこから参加しても一律二千円に引き下げられ、そして現在お車代は廃止された。当たり前ですわな。しかし一万円もくれた時って、バブルはもう崩壊しきっていたと思うが……よっぽど予算余ってたのか? その頃は、お車代のみならず、ビデオとかテレカとかオマケもいっぱいくれた。今はオミヤゲもない。しかし立食で食べ放題のうえ、ナマ選手といっぱい触れあえるのでオミヤゲまで要求するのは強欲というものであろう。
今年の表彰選手は、 ■最優秀選手:松本整
というメンツ。来賓のおっさんも言ってたが、近畿の選手も強くなったなー(しみじみ)。お車代くれてた時代なんか、来賓が声枯らして「松本選手がいつも合宿している吉岡選手のようにがんばって」とか苦しまぎれのゲキを飛ばしていたものだが。
話が前後します。まず、新阪急ホテルの、いつもこの表彰式やってた宴会場に行くと、たむろしてる人々が明らかに競輪の客と違う。中年の小金持ちのオバサマ風ばかりだ。戸惑ってたらホテルマンに「競輪ですか、そちらの奥です」と追い払われる(ってことはなかったと思うけどなんとなくそう感じた)。そのオバサマ会場は「ケムコ友の会」だかなんだかと書いてあってすごく気になった。なんなんだろうケムコ。キムコやケメコなら知っているのだが。
競輪会場にたどりついて、受付で紙をもらうと、そこには自分のつくテーブルが書いてある。私はGだった。会場に入ると、Gテーブルは壇上からいちばん遠い、結婚式でいえば新郎新婦の親が座るような下座だった。しかし立食のテーブルは近い。名を捨てて実を取ったというところか。テーブルには名札が突っ立ってて「市田佳寿浩」と書いてあった。なるほど市田はここに来させられるわけね。目の前のテーブルはDで、そこは伊藤ヤステーブル。
選手入場の後、まず選手がテーブルごとに配置される。そして、来賓挨拶の後、表彰式で壇上に呼び上げられる。で、伊藤ヤスがいつまでたっても呼び出されず、他の選手全員が壇上に上がり、村上とか松本なんかいくつも受賞してるもんでなんべんも賞状もらってるというのに、伊藤ヤスはずっとひとりで客席で立ってる。それを後ろから見てたら、首筋、こめかみにタラア〜と汗が流れ、本人はその汗をふきながら「忘れられてるんでしょーか」「ボクはなんでここに呼ばれたんでしょーか」とぶつぶつ言ってる。もらったパンフレットの、伊藤ヤスの受賞理由を見ると、「競輪祭決勝競走に進出(失格)」「寛仁親王牌決勝競走に進出(9着)」の二つで、失格とビリで受賞していると知らしめるのも何かイヤガラセっぽい。が、最後にちゃんと名前呼ばれて壇上に上がってました。
通産省(ってもうないんだっけ。あ、経済産業省か。経産省。経産婦みたい)の役人の挨拶は長すぎる。どうせ競輪場なんか来賓席以外行ったことないんだろ。長い挨拶が終わり、乾杯のご発声に続いて、ご歓談ターイム!が開始。ったって、私は緊張感皆無。誰よりも先に立食のテーブルに取りつき、チキンのデミグラスソース煮込み&インゲンのバター炒め&スパゲティなどを皿に山盛り取ってきて食いはじめた。市田など、自分のとなりの女がいきなり勢い良く食ってるので、見ないようにして体をズラしていた。あとは、イカとフクロタケのケチャップ煮込みのような変なものも食べ、生ハムメロンを食べ、生ゆばを食べ(しょうゆがかかってないので味がなかった)、ハラがくちくなったところで、これは一応の礼儀と考えて隣の市田の写真を撮らせてもらった。
市田…………なぜそうやって眉毛を剃るか。今どきそのヤンキー眉毛はないだろう。目元涼しいんだから、もっと眉毛を自然な感じにすれば、もっと美しい(ある種の人=薔薇の一族=にすごく需要のある)顔になれると思うのだが。それとも、生やしっぱなしにするとすごいゲジゲジだとか?(剃り跡見るとその心配もちょっとある)。市田さんありがとうございました。
伊藤ヤスは隣のテーブルにいたのでよく見えた。とにかくニマニマしていて、口調も不思議な人だ。高沢皓司の『宿命』に出てくる、よど号ハイジャックメンバー、京都出身の吉田金太郎の口調に似ている。「いーえ、ちがいます」「いーえ、そーなのです」とか。その口調をナマにしたら伊藤ヤスのしゃべり方になるんじゃないかという。同じ京都だし。伊藤ヤスは赤軍ではないが。そういう不思議口調で、しかしよそよそしくはないのでファンが集まる。
私は汗を垂れ流している伊藤を背後から見ている時から、一つのことが気になって気になって気になってどーしようもなかった。それは伊藤ヤスの片耳に輝く、
「ピアス」である。人気者で、いちいちファンと長く話し込んでいるので、私は会場にいたスポニチのレース部長とかサンスポのレース部長とかサンスポのレース部長とか(二人いるのである)サンスポの今中記者とかスポニチの西山記者とか報知の内田記者などにぺこぺこ挨拶しながら伊藤周辺の様子を窺い、人並みが途切れたところで突撃だ!
「伊藤さんお写真をおひとつ」「はいどうぞー」「一緒に撮らなくていいので」「はいはい」「あっ一緒に撮らなくていいというのは一緒に撮るのがイヤだということではなく」「はーいはいわかってますー。ボクはコトバの意味とか何も考えてませんから大丈夫ですー」「それはよかった。では、パシャリ」「どうですかー」「すいませんマヌケな顔に撮れてしまいました(というのも失礼な言い草)もう一枚」「はいどうぞー」
カメラを納めたところでもっとも訊きたかったことを訊く。「いっ伊藤さん、片ピアスというのは、ゲイのシンボルなのでは」
「あー、ゲイは反対側の耳でーす」「あっ(ガワの確認までしてなかった、私としたことが)そうですか、ちゃんとその確認までされたとは」「そうでーす」「しかしまたなぜピアスを」「銀を身につけるといいと言われたんでーす」「風水かなんかで」「ネックレスとかはうっとおしいでしょー」「ああなるほど」「重くて首がこう(と、突き出してみせて)なってしまうでしょー」「それでピアスですか」「両方だとくどいでしょー」「ああ(確かに)」「耳にピアスの穴三つぐらい空いてるんですー」西王座優勝は銀ピアスの成果なのか? うらやましいことである。伊藤さんどうもありがとうございました。
それからしばらくは会場徘徊して選手がサインしてるのを見たりデザート食ったりしてた。デザート台のところに張りついて、サンスポの今中さんと「本は売れとんか」「ボチボチですかね」とかいう話をしていたところ、ふと手持ちぶさたになったらしい内林が目の前に来た。よし写真頼むか。「あのー内林さんお写真を」「はい」「もうネットのチャットなんかには現れないんですか」「さいきんは行かんなー」などとしゃべりながら立たせてパシャパシャやっていたら、今中さんが「この人スポニチでなー」と言いかけ、すかさず内林は「あー知ってますよ」。「えええっ(驚愕)」
私は内林に顔を知られているなんて思ってもみなかったのでのけぞった。「な、なんで知ってるんですか私のことなんか」。内林はニヤリと笑って、
「ちょっと前の競輪クイズグランプリに出とったやろ(ニタ)」
問題っていったい何だよ。私はあれからまたクイズグランプリ参加応募したりしていたのである。車両スポーツ映像の担当者は「また出してきやがってこのバカが」とか思いながらハネてたんだろうか私のハガキを(泪)。…………まいいや、別に何か言われたわけでなし。内林に言われたわけだけどな。しかし問題って(やはり気にしている)、あの収録が終わった後に誰が言い出したんだ? 「あの女よく競輪場に来てるけど関係者なんだろ?」「競馬のほうじゃねーの?」「記者か?」「ああいうの出すのやめとけよ」。…………やめよう、直接何か言われたわけでなし。でも……(だからやめろって)。
気を取り直してケーキを食う。今中さんと、こんど一緒に山名さんにお線香あげに連れてってもらう約束などをしつつ、閉会の時を迎える。松本と村上と稲垣とはまったくノー接触に終わる(すれちがったりはしたが)。なぜか途中から山本真矢が来て「来てもうた〜」とか言って人気者になっていた。古原は、表彰選手のパネル写真プレゼントに応募したら(招待ファン全員が最初に応募させられる)当たってしまい、壇上で一緒に写真を撮るハメになった。古原はイヤそうな顔をしていた。フロックコートみたいな長い上着が「これ以上はない」というぐらい似合ってたが、手品師的似合い方だった感は否めない。最後に最優秀選手松本整の挨拶。さすが競輪広報大賞を受賞しただけのことはある、堂々たるスピーチであった。以下大意。
「この選手表彰、昔は競輪場の管理棟の一室で、いちおう背広だけは着てこい言われてしょぼくやってた。あんまりしょぼいんで、ぼくらも関東の選手みたいにちゃんとした表彰式やってくれと頼んだ。そこでやりましょう言うことになってやったのが、堺の中華料理屋でやった表彰式。それ終わってぼくらもうこんなんやったら来年は出えへんで言うたんですわ。ちゃんとホテルできちんと表彰してくれてはじめて選手もやる気出るんやないか。それでこういう会をやってもらえるようになった。そして近畿の選手も盛り上がってきた。みなさん本日はどうもありがとうございました」(後半相当割愛あり。最初の堺の中華料理屋の祝勝会ばかりがアタマにこびりついちゃって。とにかく松本さんは話がうまかったです)
この会の後、村上と松本の「近畿競輪ファンクラブによる祝勝会」が別室で執り行われたようであるが私は家に帰った。ごはんは美味しかったし、伊藤ヤスのピアスの秘密も知ったし、楽しい会でした。ぜひまた来年も出たいものです。いろいろと予算その他たいへんでしょうが、こういう会は続けてください近畿競輪運営競技会&近畿自転車競技会さま。そして中国地区もこういうのをぜひやってください。よろしくお願いします。
オマケ:薔薇の花持ってポーズのウッチー |