前回、弥彦の全プロに行って、精神的肉体的にへとへとになって帰ってきて、「もーイヤだ。もー行かねえ」と決意したハズではなかったのか。しかし「今回の全プロはファン感謝祭があるらしいよ〜。きっと美味しいよ〜」という声が物陰から聞こえて来たらふらふらと東京行き深夜バスのキップを買ってしまった。冷静に考えて、そんなもん美味しいとは到底思えないんだけど、ついつい冷静さを失うというのがミーハーファンの悲しさ。今までなんべんツライ目に遭ってきたのか忘れたのか。……忘れるんだよ、その瞬間は。今はものすごく思い出してます。ええ。もう。 京王閣についたのが十一日の朝九時。入ってみたら大量の選手が朝練習やってて、いつもだったらそんな時間にはいるはずもないぐらいのファンがそれに見入っている。全国の(ったって十数人だが)ギャルが集結している。あの人もあの人もあの人もいる。みんなすごいなあ。って、そういう自分も来てるんだろうが。しかし客はギャルだけではない。車券も売ってないのに金網にしがみついてるオッサンもおり、ギャルと違って目的がわかりづらいだけにものすごい真剣さが感じられる。 さて私も朝練見物に参加して「伸ちゃんいねーかなー」と目をこらしていたら、そばにいたドクトル嬢が「あっ、しんちゃんだ!」と叫ぶので注目したらやけに小さい男が自転車に乗ってくるくる回っている。佐藤慎太郎ではないか(泪)。「佐藤慎太郎をしんちゃん言うな!」と思わず涙目で抗議したです。しんちゃんは三宅伸です。その後、しんちゃん(本物)はちゃんと発見できた。 さて、全プロというと、つまり競技で、タイムが重要になってくるんですが、ギャルの皆さんがエライなあとつくづく思うのは、ちゃんとタイムが出るたびにプログラムとかにそれを書き込んでらっしゃる。私なんかひとつもそんなことはしていない。以前はちょっと記録をつけたりしかかったこともあったが、付け焼き刃なんでちょっと聞き逃したらそのまんま。すぐやめちゃった。とにかく、競技観戦者としては失格だ。ま、今回の目的はファン感謝祭だしな(と自分を正当化する)。 そんなもんで、競技についてはほとんど申し上げることがない。バック特観席敢闘門のすぐ上の最前列でずーっと選手がローラーこいだり取材されたり正体不明のギャルとたわむれたりしてるのを見ていた。その中に「外国人選手と談笑をするヤマダ」というのがあった。それで考え込んじゃったんだが……これは「ヤマダが英語でしゃべってる」のか? 外国人選手のほうが日本語をしゃべってるんじゃないのか? ヤマダが英語をしゃべる可能性と外国人選手が日本語しゃべる可能性はどっちが高いか? 微妙なセンだ。 競技の話はこのへんにして、ファン感謝祭にほうに話を移す。何しろ今回は今までの全プロにはないファンサービスが盛りだくさんで、場内テレビでは独自番組つくって放映するわ(その司会が柴田光太郎。田宮二郎の息子。レポーターがむかし「おはよう!ナイスデイ」のレポーターやってた奥山ナントカ。二人ともナイスデイが終わって「とくダネ!」に替わってから消えてたのだが、こんなところでセットになって出てくるとは。二人とも同じ事務所か? 奥山さんはワイドショーのノリで選手にインタビューしたりしてたが、いかんせん競輪場のバンクでは違和感アリアリ。記者の人に後できいたら、現場はそーとーしっちゃかめっちゃかになってたそうです)、選手がご推薦する食べ物を出す屋台が出るわ、トークショーはあるわチャリティーオークションはあるわ。ま、私はいつでもどんな競技でも「選手を表に出せ。それで売り出せ」と言っているので、これはたいへんイイコトだと思う。 で、屋台。最初これ、選手が売り子やると思いこんでたら、違った。各地区の代表選手が自分の住んでるとこの美味しいものを推薦して、それを売るという趣向だった。まあ競技の合間に売り子もできんだろうし、だとしたらなかなかいいアイデアではなかろうか。
各地区代表は「九州=吉岡稔真=博多ラーメン」「四国=児玉広志=讃岐うどん」「近畿=松本整=関西風お好み焼き」「中部=山田裕仁=かき氷」「南関=高木隆弘=中華まん」「関東=神山雄一郎=焼き餃子」「北日本=伏見俊昭=にしんそば」。そして「中国=三宅伸=いちごジュース」。 このセレクション、人選はわかるが、食べ物のほうがよくわからないのがある。吉岡と神山と松本と児玉は順当。高木もまあいい。山田のかき氷は「あーきっとナゲヤリに選んだんだぜ」と納得してしまったのでいいとしよう。わからんのが伏見のにしんそば。にしんそばって京都じゃないか? 北のほうでニシン御殿とか聞くのはあれは北海道だったような。 三宅伸のいちごジュースもよくわかんないんだけど、岡山っていちごの産地でしたっけ? 露地ものでうまいやつが玉野近辺のかくれた名産になってるとかあるんですか? googleで検索したが「岡山産いちご」でも「岡山産イチゴ」でも「岡山産苺」でも、一件も出てこなかったのだが……。でも可愛くていいので許す。私が見にいった時は、いちごジュースにいちばん人がむらがってた。ま、単にそれは三時ごろで、うどんだのお好み焼きだの食うという時間でもなかったからだろうが。 私ももちろん飲みましたとも。屋台にはみずみずしいイチゴが置いてあり、いかにもうまそうである。でも、そのイチゴの飾られ方が、いかにも「祭のタコヤキ屋台で、入れないのに山盛りに飾ってるタコ」的な感じなのだ。そこでちょうどジューサーの中身が切れて補充するところだったから注意深く観察していたら、業務用冷凍イチゴピューレ(砂糖入り)のパックからピューレ出して使っていた。…………いや、そんなことで目くじらたてようとは思いませんがね。玉野の露地ものいちごののピューレかもしれんしな(イヤミ)。それに美味しかったからいいです。その屋台では他に焼き餃子を試したが、鉄板から移してくれたのにものすごい急激に冷めていき、一個食べてしばらくしたら、油が悪かったようなムカムカに襲われた。餃子にくらべたら明らかにいちごジュースが勝ってました。屋台で勝ってどうなるものでもないが。 一日目の競技がすべて終わるとファン感謝祭本番が始まる。ホームスタンド裏のメディアホールに舞台がしつらえられ、まずエライさんの挨拶。経済産業省の役人の挨拶が長くて倒れそうになる。どうせキャリアだろうが、場の空気ぐらい読めよ。次に「千メートルTT優勝者当てクイズ当選者発表」。優勝の伏見が箱に手をつっこんで当選者を引く。「女性がいいですね」とかいって次々に女性を引いていた。さすがですね。次になんだかわからないが大量の選手表彰。二十人ぐらいおったような……どういう趣旨の賞? 山田と伏見はわかるとして、松本と小橋もわかるとして、布居や佐野梅とかがいたので趣旨がさっぱりわからず。小橋がいると思わずシャッターを切る(なぜだろう……)。
そしてトークショー。司会シゲさん、メンバーはヤマケン、滝澤、神山、山田、吉岡、伏見。どのような話があったのかほとんどおぼえていません(メンツに興味がなかったせいか。あ、そういえば神山が、 「僕も独身なので」 と言ったんだ。ついにカミングアウトか。でも 「独身なので相手を探してます」はダウト ではないのか?)。私はずっと、つまんなそーにしてる吉岡の顔ばっか見てました。山田と伏見にはビールの差し入れがあったのに吉岡にはナシ。吉岡を挟んで山田と伏見が乾杯してるし(山田も伏見も、もーちょっと気を遣えよ!)、とくに、神山がなんか言ってウケを取った時の、吉岡の口がこーんなにひんまがった時がいちばん面白かったでした。
それにしても吉岡の髪型……なんであんな、頭頂部に板をのっけたような髪型にするんだろう……身近な人が誰かヒトコト、それはヘンだとさえ言えば問題は解決……はしないのか。山田はすっかり、こういう場が板についた。オッサンくさくてたいへんいい。伏見は、まあ自分が主賓であるという自覚がじゅうぶんにあるようで、しかし強者のオーラにはぜーんぜん欠けているのがつまらん。 このトークショーが始まってから、客席にも選手がやたら混じっていることに徐々に気づく。選手ったってなんせ華がないのが多いもんで、横にいても気づかなかったりするんだ(泪)。ジャージ姿がポイント、ったって、客のにーちゃんもジャージ着用率高いしさ(泪)。やけに目についたのが高谷と金古。ことに高谷の「ありがたみの無さ」はちょっとすごいもんがあった。5年前はけっこうギャル人気あった人なのになあ。それと、吉岡の頭もアレだけど、高谷もソリ込み状の頭髪後退も相当にやばいんじゃないの。 などと、高谷の頭髪問題に思いを馳せていたら、何人もの人が私のところにやってきて「あっちの柱のとこに岡山勢がいますよ!」「あっちに伸さんが!」「伸ちゃんが一人でぶらぶらしてます!」「青木さん! 三宅があそこに!」。 …………いるのか、三宅伸が。いきなり平常心を失う私。私はそのことを知らされてから十分ぐらい、動くことができず、トークショーをずっと見てた。見てたけど目にも耳にも何も入って来やしねえ。 ついにその場を離れ、三宅伸が「いる」という場所へジリジリと近づいていく私。その途中に児玉がいるのを発見。児玉は数人のファンに囲まれており、その中には直線一気嬢がいて、なんだかとてもリラックスしたいい感じでしゃべっている。私は他人の幸福を妬む者なのですが(ひでえなあ)、この様子には心から「ああ、直線一気さん、いいなあ。よかったなあ」と思い、私もちょっとがんばろうか、伸ちゃんとこ近づいてみっか、という勇気が出た。 そして伸ちゃんのところに走って行って、ポンと肩を叩き「おっひさしぶり〜」と声をかけると…………なんてことあるわけないだろ!!!! 私にそんなことができるかい! 私の取った行動は以下の通りです。
●三宅伸のいる場所を確認する
どうよこれ(泪)。いきなり背後から「ごめんください」って(大泪)。そりゃー伸さまだってイヤだろうよこんなの。こっちをごらんになって「……おわっ」と小さくのけぞってから、誰にともなく「いつもぬーっと現れるんじゃ……」とつぶやいた。別に肩を抱かんばかりに喜んでくれとは言わないが(言えないが)、こんな再会のしかたって……。もうちょっと三宅伸に喜びを与えられる人間になりたかった。 ついに伸さまに声をかけたわけだが、まったく話をするネタがない! まさか「玉野のガッツポーズかっこよかったですよ〜」とか言うわけにもいかん。こうして家に帰ってきてみればアレも言おうコレも言おうということがあふれ出るが、その場ではまったく声も出ない。そこで私が取った行動。 ……伸ちゃんを中心とする半径二メートル圏内から出ないように注意しながら、伸ちゃんからそっぽむいてたたずむ……。
こんな不気味なことがあるか(号泣)。伸ちゃんもこっち見ないようにしてるし。ファンならなんでもいいから話しかけりゃいーじゃん! 話がなかったらお顔をじっと拝見してりゃいいではないか! あとでいろんな人に、
「青木さん三宅伸のそばで三宅伸に背中向けて腕組みしてましたけどどーしたんですか?」
と言われた(泣崩)。どう考えたってそーとーヘン。そんなことは自分だってわかってましたよ。わかってましたけど、どーにもならんのですよ。 ところでこのファン感謝祭、有名選手(=屋台に推薦料理出してた選手)にはプラカード嬢がついて「ここにいますよ〜」をアピールするようになっていた。広い会場でもすぐわかる!という主催者の気遣いだったか。しかしこれ、逆効果だと思った。なぜならプラカード選手なのに回りに人がいない場合、すごくそれが目立ったからだ。吉岡なんかよくプラカード嬢と二人でぽつんといたもん。吉岡もしょうがないからプラカード嬢に何か熱弁ふるってたよ。それを見た吉岡ファンの元高松嬢が「十年前だったらこんなこと考えられない」と目頭を押さえていた。三宅伸にもそれほど人がいなかったが、私がつかず離れずそっぽむいてまとわりついてたからかもしれないということに今気づく。
あまりにも三宅伸のそばにいるのに三宅伸にそっぽむいてるのが苦しくて、私プラカード嬢に話しかけてんの(泪)。なにやってんだ。 「あのーこのプラカード持つ選手というのはクジびきとかで決めるんですか?」「いいえっ、もう順番にプラカード渡されて」「そうなんですか。……私、この人のこと(とチラッとふりむいて三宅伸を見て)好きでねえ」「あっ、だったらプラカード、持ちますか?」「……。いえ、いいです(そんなんやったらますますヘンになるよ〜)」。 彼女、すごく感じのいい子で、よかったです。伸ちゃんも「こういう仕事はどういうとこで募集されるん?」とか「まあ仕事で日本中まわっとるし、月の半分ぐらいしか家におれんな」とかいろいろしゃべってた。その「月の半分」てのを聞いて彼女、私に向き直って「じゃあ、あなたも月の半分は三宅選手を追いかけて日本中旅してらっしゃるんですか?」。 …………。いや、そうしたいのはやまやまなんですがそうもいかんというのが実状で。彼女にはここのアドレスも教えたので、見にきてくれるといいんですが。見てくれたら掲示板に何か書いてね。三宅伸選手、いい人だったでしょ? いちおう有名選手である伸ちゃんのところには、ファンがサインや握手を求めてやってくる、こともある。若い女性系はあんまり来なかったが、どういうわけかちょっと酔っぱらった「競輪の将来を憂う」タイプのおっさんがやたら伸ちゃんに寄ってくるんだ。で、またそのおっさんたちの話がなーがーい! いつになっても終わらん。「アンタのファンなんだから!応援してるんだから!」といいながら、延々と終わりのない文句(要は買ってた時に来なかったという恨み)を言い募るオッサン。そのしゃべりのパワーをわけてもらいたい。「私は『競輪をよくする会』というのをやってる者なんだがね」と名乗って来たオッサンは、そんなえらい会をやってる割には「お兄さんの調子はどうだね!」って、三宅勝彦と伸ちゃんは兄弟じゃねえんだよ。私なら「兄ちゃん、はいはい調子エエです」とか言うところを伸ちゃんは「勝彦は兄弟と違うんで」と丁寧に訂正。 そんな困ったオッサンの長話にもニコニコ笑ってはいはいと頷く伸ちゃん。しかしオッサンが退場するとプラ嬢に「もー、居酒屋とかいくといつもこうじゃ! すぐつかまってああだこうだ言われるんじゃー」とゲンナリ顔。ま、そういうオッサンのターゲットにされるのはよくわかるんですよね。これが吉岡とか松本じゃ言いづらいよな。でも三宅伸なら聞いてくれそうだと思うんでしょう。それに実際車券で迷惑かけ…………あわわ。
これ、オッサンのお話を拝聴している伸ちゃんの顔です。うつろな目。ひきつる笑顔。私だったらすぐ「これは伸ちゃん困ってるぞ」とわかるが(私が登場してもこの顔になるからよくわかるのである……泣伏)、オッサンにはそんなデリカシーはないしな。でもデリカシーないほうが伸ちゃんとガンガンしゃべれていいのかもしんないけどな。 でもオッサンの長話で私も勇気が出てきてちょっとしゃべった。しゃべったって、「きのうパチンコやったのか」と「いちごジュースはなぜ」の二つだが(嗚呼……)。パチンコは「吉祥寺から日野のほうまで行こうと思うたんじゃけど、雨がひどかったからやめた」そうです。でも吉祥寺から日野って。吉祥寺はともかく(それでも驚いたが)日野なんて地名をなぜ知ってる伸ちゃん。「●●●●(この名前忘れた)のパチンコマンガに出とったからな」「……(ここで思わずアタマをかかえる)」「●●●●知ってる?」「……(知らねーよパチンコマンガなんか!)」。私は府中に住んでいた頃に得た情報であるところの「中河原のサンシャインというパチ屋はよく出る」というのをお教えしたが、●●●●まで熟読している伸ちゃんには不要な情報であったろうな(泪)。 問題はいちごジュースだ! 「なんでまたいちごジュース?」と訊いたら、「え?」。こっちも「え?」となりながら「だから屋台のいちごジュース」「え? 知らん、なにそれ」。 あれは主催者が勝手にやっとるんか! えー、いちごジュースについては三宅伸選手はまったく関知してないそうです。他の選手は知りませんが、元高松嬢が児玉としゃべった感触によれば「児玉くんもたぶん知らんような感じやった」とのこと。こういう、ちょっとしゃべってすぐバレるようなことをするなよな〜京王閣〜。 このあとチャリティーオークション。もう長文書き疲れたんでぱっぱと行く。伸ちゃんは最初に登場した。ま、最初だろうな、やっぱり。出し物は、「外に着ていけないTシャツ(伸ちゃん似顔絵入り)」と「岡山県選手トランプ(例のあれ)」と「ガッツ玉ちゃんバスタオル」のセット。私は最初から落札に参加する気はなかったので後ろのほうで見てた。心配はただひとつ、誰からも声が挙がらなかったら……。しかし五百円からはじまった競り、なんと一万円という声が挙がって無事落札。しかしいったいどういう人がどういうつもりで(あわわ)。でもひとまずよかったよかった。他の選手のオークションはほとんど記憶にもありませんが(何しろクタクタだったので)、吉岡の出した品物が、いかにも家に死蔵されてたレースの副賞をかきあつめたというヤル気の感じられないモノで、イマイチ値もつりあがらず(でも伸ちゃんよりは上がったが。というより、伸ちゃんのは「一万円」で司会のおねーさんもホッとしてすぐうち切った感が……あわわ)、やっと終わったら司会者に「吉岡さん調子が悪いのに出てきてくださってありがとうございます」とか言われちゃっていたことだな(貰泪)。 屋台がヤラセだったのは少々ひっかかるところだが、競輪場内でこういうイベントやるってのは安上がりでよろしいことだと思う。選手の皆さんもイヤだろうが、ここは全プロの日ぐらいはこれを必ずやる、というようにしていただきたい。…………しかし、私はもういいや。といいつつ、来年の開催地を調べようとかしている。…………ちきしょーぜったい行かない!(なんで涙目になって叫んでいるんだ)。 |