金網の中の青春22●中国地区プロ観戦記

 

全プロは懲りたが地区プロには懲りないのだ。いえね、地区プロ見物は今回で3回目ですけど、その3回すべてに漂う「ぬたあ〜っ」とした雰囲気。あれはたまりませんわ。これが全プロとなると全国からどす黒い野望(ここ、笑うとこです)を抱いた婦女子が集まっちゃって、その淀んだ空気はよほどの猛者じゃないと耐えられないもんがあります(いや、自分が耐えられない繊細な人間だというんじゃないんですけどね。私はただ腰抜けなだけ)。その点、地区プロはユルユルで、たいへん楽しいです。いや、私にしてみれば、三宅伸が登場するというだけで、相当のプレッシャーはあるわけだけど。

漂うユルユル感は、どうも聞くところによると中国地区特有のモノかもしれない。九州の地区プロなんか客も百人単位でいるらしいし。関東の地区プロも、出場選手がそれなりにソノ気なのでけっこう緊張感漂ってるとか言ってたしなあ。あ、こんなこと書くと中国の出場選手がソノ気じゃなくてヤル気もないって言ってるみたいに聞こえるが、……そういうことかもしれない(うーむ)。

朝9時半、広島競輪場に到着しました。しましたが、門が閉まってる。ぴったりと。人が群がってる場所があったのでそっちに行ったら、払い戻し窓口だった。ここまで来て中に入れないなんてザンコクすぎる!と泡くって歩きまわってたら、門のむこうの狭い通用門が開いてた。単純な話でした。

入ると小さなテーブルにおっさんが座っていて、プログラムと昼飯引換券をくれる。そして「誰かサインほしい選手いますか」と訊かれた。「は? 誰でもいいんですか」「今日出る選手のサインだったら大丈夫ですよ」「え、え、えーと、えーと、こういう場合やはり三宅伸のサインがいいのかもしれないが三宅伸のサインはもう複数枚持っている、となると、やっぱり、か、か、金山くんを」「金山選手ですね、ではこちらに名前を」「はい。か、な、や、ま、え」「いえあなたのお名前を」「あっ、そういうことですか。あ、お、き」「はいありがとうございました」。なるほど、希望選手のサインを「●●さん江」入りでくれるのか。これはいい。思わず他にはどんな選手が希望されてるのかとテーブルの上の紙を横目で観察してみたりしたところ、金山くんは希望が多く6人ぐらいいて、次は前反が多かった。そうか、そういうふうになるのか。金山も前反も、車券買って見てると思わずコブシを握りしめて金網殴打、というような競走を見せてくださることもあるが、そういうタイプこそ地元じゃあ愛されるかもなあ。愛されるというか愛憎というか。ふだん怒ってる人こそこういう時に「サインは……金山じゃ! あいつにゃ〜さんざんヤラレとるけんサインもらうんじゃ!」ってことになるような気がする。あれも愛。これも愛。さて、三宅伸には、その段階で2人ぐらい希望者がいた。2人だけか。やはり三宅伸を希望するべきだったか。でも一人増えてもあんまり意味なさそうだし、「青木」って書いてあって「またじゃ」とか思われてもツライしなあ。

入ってみたら客が十五人ぐらいいた。オヤジが主で、中に若めの女の子が塩に対するコショーぐらいの割合でちらほら混ざってる感じ。その時点で一人だったから所在なく地べたに座ってたら、すぐ開会式が始まった。真っ正面にいって金網に顔おしつけて見りゃいいものを、そんな勇気もないからちょっと離れた位置で一人で見ていて、今から考えるとそっちのほうがヘンだったろうなあ。開会式出場選手の中では金山くんと本田晴美を発見したが、肝心の三宅伸と小川巧が影も形もない。地べたに座るにも足に乱れがないようにとか気を遣ってたのに、伸さまいないとわかったとたんいきなりアグラとかになってしまって雰囲気は早くもユルユルである。結局、伸ちゃんも巧さまも、この地区プロ開始から終了まで一年にたとえたら体育の日ぐらいになってやっと出てきたのであった。もっと早く出てきてくれ〜。

地区プロの時になると必ず見る選手で、名前を知らない人がいる。一人は頭がスキンヘッドの大男。顔はスポニチの菱田記者に似ている。スキンヘッドでもあれは豊田知之ではない。ではいったい誰。もう一人、小太りで小学生みたいな、ぼっちゃん刈りを金髪にした感じの人も必ず見る。いったい誰なんだろう。年に一回見るって、みょうに気にかかるのだが、あっちはこっちなんか見ちゃいないだろうけどな。

ホーム側客席のところで、無料でポカリスエットとかクリスタルガイザーとかお茶とか配っていて、それはもちろん選手のためのモノなんだけど、数少ない客もその恩恵を享受できるようになっているのがありがたい。それよりももっとありがたいのは、飲み物を取りに選手が客席のとこまで来る、ということである。ミーハー客にとってはそっちのほうが「サービス」になっている。やたら客席に来たのが藤井久之であった。そばで見ると藤井久之はイイ男だ。髪の毛もキレイ。金髪なんだけど、カネかかってる感じがした。競輪選手が金髪にすると、尼崎で自分の子供虐待して殺して川に捨てた親がやってた金髪に近い「ヤンキーの自分脱色」みたいなことになってしまいがちだが、藤井久之のはそういう金髪ではなく、タカラジェンヌの金髪に近かった。見直した。しかし「藤井だし……」と写真は撮っていないのが、自分ながら薄情だ。

そしたら金山くんが来たではないの! 藤井の時にはカバンから出しもしなかったデジカメをあわてて出して、写真撮らしてもらう。去年は写真撮られるのすごくイヤがってたのに、今年はOkなのか。輪界一番の美少年を撮るというので手が震えてしまったが、ボケてないのも撮れた(嬉)。

私が金山くんを「輪界一の美少年」と言うたびに人は笑うか黙るか横をむくか、とにかく賛同は得られないわけだ。こうして写真に撮って、しみじみ見ると、……私の腕が悪いのかもしれない。ジカに見たときはこんなふうにムクんでなかったと思うんだが。目ももっと、瞳の中にお星さまが輝いてたのだが。とにかくこれは7割のデキです。

何が好きって、私は彼のこの髪型が好きです。こんど私もこの髪型にしようかな。それにこう見えて背が高い。立つとお尻の位置が「えっ」というほど高いのです。私はこういう時とばかりに金山くんをジロジロと観察したら、足のスネ毛を剃って、それがちょっと伸びかかってて、コレにさわればきっとチクチクなのね〜、と思いました(バカ)。写真もう一枚載せます。載せるったら載せる。私が載せんで誰が載せるんだ金山くんを。

か、か、可愛すぎる。この日、ひろしま競輪探検隊長のにゃ魔嬢は、選手にアンケート用紙を配って質問に答えてもらってたんだが(「あなたの体で自慢できるところは?」とかそういうやつ。三宅勝彦がそれに書き込んでたので「どこですか〜」と覗いたら「やっぱアソコじゃろ」と答えた。あまりのベタさにほのぼのしちゃった)、金山くんにも用紙渡そうとしたら「いやで〜す!」と言いながらスキップして去っていった。変わった人ではあるかもしれない。

これがいただいた金山くんのサインだ! 知らなかったこんなサインだったとは。サインも可愛すぎる。しかし家に帰って飾っておいたら、さっそくに猫にひっかかれてしまった。猫さえもひっかかずにはおれない魅力的なサインであるということか(苦)。ところでこのサイン、象さんをかたどっているんでしょうかね?

次に客席に出てきたのは好青年久冨くんだ! 出てきて、誰かの子供をかまったりしてて、行動も好青年そのものだった。彼、すごいエクボの持ち主さんなんですね。ただ、ただ、ちょっとだけ願望を述べさせてもらうと、眉毛の剃りが微妙だ。今はギリギリのところでセーフなのだが、これ以上整えてしまうとヤンキーになるので、ちょびっとだけ注意してほしい。お姉さんのお願いです。あと、にゃ魔の観察により気づいたのであるが、久冨くんのフトモモはすごい。ボールでもくっつけてるみたいに筋肉が盛り上がっていた。これからがんばってください。

子供といえば、吉永吉宏(字を忘れてしまったが、とにかく兄のほう)の奥さんが赤ちゃんを連れて応援に来ており、その奥さんがすっごい可愛かった。見とれちゃったなあ。奥さんは一般の方なので写真は撮っていませんのですが。あ、吉永のほうも撮ってないか……。

他に印象に残った選手といいますと、なんといっても友定ですね。友定も開会式では姿を見なかった選手の一人だ。後半のオリンピックスプリント出走で、その直前に悠然と登場し、なんだかわからないがものすごく貫禄があるのである。若手選手っぽさが微塵もない。といって老けこんでるわけではない。若き総帥とか、いやそんなカタイもんじゃなくて、あれは若頭のタイプだ。どうしても、「三宅伸はいつか友定に使われるんじゃないか」という心配が抜けないんだけど、考えすぎでしょうか(友定の写真は、こちらの心の恐怖が手に出たのかピンボケ。シャープかけたらどうにかなる程度のボケだが、それにも増して、へんなふうに歪んだ顔に撮れてしまっていて恐ろしく、使いモノにならない)。

そんなわけで、藤井とか金山くんとか好青年とか、小林ゆたピーに恩地智明に、さらにやたら登場した本田晴美とか、いろんな選手の姿を拝見しつつ、こちらとしては「いつ三宅伸が出てくるか」ばかりが気になって気になって。だってバンクの中に姿すら現さないんだもん。日も傾きかけ(ってのは大ゲサ)今日はお休みか、と緊張の糸も切れかけたところで、にゃ魔が叫んだ。「あっ、伸ちゃんだ!」。

ドキ。

心臓が口から出そうになる私。伸ちゃんがこっちに駆け寄ってくる。むろんこっちといっても私に用があるわけがなく、飲み物もらいに客席に来たんですけどね。客席に来たらチャンスですやん。しかし体が動かなかったな〜。なぜかデジカメのシャッターもうまく押せんかったし。ううう。それと、その時の伸ちゃんのスタイルが、紺と黒のコンビのぴったりしたつなぎみたいなやつで、モダンバレエの男のダンサーみたいだったんですよ。あれは……。三宅伸ともなればなんでも興味ぶかく見ることができる私だけど、あのカッコは、……いやホントにステキでした(大汗)。写真撮っとくんだった。痛恨である。

そういや、競技のことをなーんにも書いてない。他の選手応援系ホームページなんかだと、競技の結果を細かく書いておられる方が多く、そうゆうのがまったくない自分のレポートは、地球の果てまでミーハー精神に貫かれてるなあと情けなくなります、記録もテキトーにしか取ってないから書きようがないんで、しょうがないから覚えてることだけ書きますが、オリンピックスプリント岡山チーム(友定・好青年・三宅旬)は3位。ケイリン、小川巧1着、2着小林豊、3着三宅伸。総合成績・岡山は2位。オリンピックスプリントチームはもっとがんばってほしい(叱咤)。ケイリンは、三宅伸の3着が、ほんとにまったくいつもの競走と同じような展開の3着だったので、笑ってしまったでした。ほんとは岡山ワンツースリー(小川巧・星島太・三宅伸)を狙ってたらしいんだけど、ふとぴょんはどっか行っちゃったみたいでした。私としてはできたら三宅伸選手には連対してほしかったです。最後にお贈りする写真は、表彰式の三宅伸選手の、なんともいえない苦み走った顔です。最後となったら金網に顔くっつけて撮ったけど、撮れた写真みんなこんなんでした。

来年の中国地区プロはたぶん玉野だと思います。がんばって遠征したいものです。毎回、行って帰ってくるとドッと疲れる地区プロですが、全プロは懲りてもなぜか地区プロは懲りんのです。


●胴体 ●目 ●耳 ●口 ●手 ●太腿 ●骨