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競輪場で知り合った女の子がこんなことを言ってたことがある。 「競輪て、オッカケ甲斐のあるジャンルですよね」 そおかあー? 競輪選手おっかけて何か甲斐があるのか? と思ったんですが(すみません。三宅伸をおっかける甲斐はあります。見るだけでも生き甲斐です。でもつい思ってしまいました)、彼女の言うのはそういう意味ではなかった。 「私、昔、競馬の騎手をオッカケをやってたんですけど、騎手なんて、競馬場の出口で待ってたって出てこないですもん」 確かに。武豊は京都競馬場の関係者出入口から出てこない。出てきてるのかもしんないが、その姿を見たことはない。 「でも、吉岡さん、ファンが待ってるところに出てきますよね」 ![]()
そこで、出待ち、という儀式が発生してくる。待ってりゃ出てくるんだから、ちょっと待ってみようか、って気になるのは不思議ではない。出てくるのみならず、交流が生じて携帯の番号教えてもらったりすることもあったりするらしいので(こだわってんなー、この件に関しては)、ミーハーファンなら待つべきであろう。 でも待ってるのって、男女半々、いや男のほうが多いぐらいだったりするよな。それもオヤジ。オヤジもたぶん、選手のケータイ番号知りたいんだよな。で、選手に電話かけたりかかってきたりしたんだ。で、一緒に飲みにいったりホテルに行ったりしたいに違いないのである。ある種の競輪オヤジは、確実に選手を性的対象として見てるからなー。 まあそれはいい。私もたまに出待ちはするんですが、あれはキツイ。なんか話が違うようだけど、出待ちやってる人なんてのは少ないんですよ。最初のうちこそ十人二十人のファンが出口にタムロってるが、最後まで待ちを貫徹する人が少ない。Sシ、記念、特別、どれも一回は待ってみたことありますが(初日とかの誘導待ちすらしたことある)、なんか待ってることがツラくなるのか、けっこうすぐファンはハケてしまうのである。 言っちゃなんだが、出口で待つファンの人々はだいたいツラさなんか感じそうもないタイプに見えるのだが(人のことは言えない)、なんか知らないけど、いつのまにかいなくなっちゃうんだ。 「まだ神山も吉岡も三宅伸も出てきてないぞ! 出てきたのは広川貞治だぞ! なのになぜみんな帰る???」 という状況が展開する。やっぱり、ツラさなんか感じないようなギャルをしてツラくさせてしまうほど、競輪場の出口で待つのはキツイのでしょうか。それとも、ツライ思いをして最後までぽつんと待っている私をよそに、引き上げた人には何かイイことがあるのでしょーか? 見えないとこに秘密出口とかがあって私だけそこを知らなかったりするのでしょーか? と思わず疑心暗鬼に陥るぐらいのものです。 さて先日の競輪グランプリの日も出待ってみました。 友達のツキアイだったんで気楽なもんである。これが三宅伸でも出てくるっていうなら「だんだん人も減ってきた、どーしよう」「こんなイジイジ待ってるぐらいならサッと帰るという心意気を見せたほうがいいか」「しかし心意気を見せるといってもどうやって見せるのか」「ならば三宅伸が出てきた瞬間にサッと帰るというのはどうだ」「なんか意味あるのかソレ」などと悩むことになるが(3年前のグランプリの時はまさにそう悩みました。で、結局ツラさに耐えきれず帰った。その5分後ぐらいに出てきたそうですが)、三宅伸がいないんだから私はタダの野次馬。あ、タダの野次馬がそんなとこでいつまでも待ってるほうがもっとヘンか。まあいいや。 で、待ってたんですが、選手なかなか出てこない。巷で話題の金髪のお二人もいらっしゃって心強い思いをしていたのだが、ふと見たらいなくなっている。後閑が車で出ていったらさらに人は減り、それでもシツコク出口にいたギャルたちも、しばらくしたら消えてしまったのだった。なんか、奥にトラック搬送出口があるらしく、そっちに回り込んだようにも見えたのだが、定かではない。とにかく出口のとこにいたのは数人(東京嬢、大阪嬢、玉野嬢、新聞君と私の5人)となってしまった。 その時である。 「出たっ!」 幽霊ではない。吉岡が出たのだ。目の前の出口から。私はまさか吉岡だと思わず「おおー小橋かー」と思って見送っていたら「よよよ吉岡ですやん!」と大阪嬢が鋭く叫ぶ。へっ? 小橋と違うん? だって歩いてるよ。駅に向かって。競輪場から立川駅までは、甲子園駅から甲子園競輪場ぐらいの距離はある。あの吉岡稔真が歩いていくもんでしょうか。 歩いていかれたのです。 しかし吉岡が出てきても、驚きはしたがべつにオロが来たりしない。好きな選手ではあるけれどべつにトキメキなどはないので、声なんかもかけやすいのである。以前、年間選手表彰の時ににじりよって「三宅伸についてどう思いますか。仲いいんですか。先輩としてどうですか」などと質問して迷惑がられたこともある。 おー、じゃ、オッカケじゃ! と発進しようとしたけど、吉岡ファンの大阪嬢と玉野嬢がついてこない。あんまり好きすぎて近寄れないらしい。気持ちはわかる。これが三宅伸だったら私も発進できなかったであろう。誘導が半周以上先を行って失格になること確実の出渋りをしたに決まっている。 しかしそこにいるのは三宅伸ではなく吉岡稔真。私と同様に吉岡なんかどーでもいい東京嬢と新聞君と一緒になって大阪嬢と玉野嬢を後ろから励ます。が出渋る。ほとんど「イケえー!」という絶叫になってたかもしれません、私&東京嬢の励ます声。そのせいか歩きながら吉岡が夜道でこっちを振り返る振り返る。「ほらこっちむいてるから! 今だイケえー!」それでも出渋る大阪&玉野両嬢。馬を水飲み場に連れていくことはできても水を飲ますことはできない、といいますが、この場合、水飲み場に連れていくことすら不可能なような状況でした。 でも玉野嬢は大阪嬢よりも遠くから来てて旅費もかかってるせいか(推測)、このまま出渋り失格ではあまりにツマラナイと思ったのだろう(推測)、一緒に写真を撮ってもらうと言い出した。それなら私がシャッター押したるからまかしとけ!とばかりに二人で吉岡にカケ寄る。「はい」とニコやかに立ち止まる吉岡。 しかしコレがまた間の悪いことに、シャッターが下りんのよ。「おおー?」と吉岡選手のけぞるリアクション。再度トライでもまたおりん。「おおー?」と叫んで吉岡、行っちゃいました。 私はそこで疲れてしまって、東京嬢&新聞君の吉岡なんかどーでもいい組と一緒にさっき終わったグランプリのことなど振り返りながら駅まで歩きました。大阪嬢と玉野嬢はほとんど走るような勢いで吉岡を追いかけていって(といっても何かアクションを起こすわけではない。ただ一定距離を保ってついていく。気持ちはわかる。が、ハタから見たら気味悪いだろうなあ)、もう見えなくなってしまいました。でも駅についたらまだ吉岡さんはいらっしゃって、南武線に乗って川崎方面へ向かったようです。てことは、いつぞや私が三宅伸にくっついてじりじりと京王線に乗ってしまったように、吉岡にもずっとくっついていくことが可能だったのか。いやそんなことはご迷惑ですね。 そんなわけで、今回の教訓は「吉岡だって出てくる。待っとけ」です。でも千葉で金山を待ってた金山嬢は、空港行き乗合タクシーでガーッと行かれてしまったっていうしな。 もしかすると「吉岡“は”出てくる」なのか。最近の吉岡のファンに対する愛想の良さは「いったいどうしたんだ? 何かあったのか?」とファンを怯えさせるほどのものになっているらしいですから。確かに、ツキアイとはいえなんべんも吉岡を出待ってる私でもそれは感じる。昔はひくーい声で「ああ」「ええ」「はい」とかしか言わない男だったもんだが、今ではカン高い声で「あー!」「ええーっ!」「はあーい!」だもんなあ。どうしたんだろう。でも、吉岡をおっかける人にしてみればこれは良い傾向なのではないでしょーか。でも吉岡を追いかける若いファンというのが最近めきめきと減っているようにも思うのだが……。 |
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