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出待ちもいいんだけど、あれは精神的疲労が甚だしいもので、どっちかといえば朝練習見学のほうが気楽だし楽しいし、目当ての選手を長いこと見ていられていいのである。 ま、写真撮ったりサインもらったりはできないが、うまくいくとしゃべることは可能。小倉の競輪祭の朝練習で、ヤマコウが女と見れば「ヨ!」とか「どーも!」とか「誰見に来てんの」とか声かけていたのは忘れがたい。競輪王加倉正義も、朝練見てるギャルに「お疲れさん!」とか言っていてナンパなのであった。 吉岡稔真と神山雄一郎の両横綱は寡黙にくるくる回ってるだけでさすがだが、吉岡は最後に必ずバンクの上のほうに上ってきて見学者に顔をよく見せようという努力がある。吉岡のファンなんて、昔はともかく今は甲羅にコケのはえたような、亀は万年みたいなオバチャンとか、若いんだが若さを微塵も感じさせない荒れ肌のオネーチャンとかの割合が急増しており(いや、人のことは言えないんですが)、吉岡としてもべつにそんなのに愛想ふる必要もないだろうに、律儀に必ず金網ギリギリのところを回って見せてくださるのだった。いや、律儀というより、強迫観念につき動かされてるって感じか。 その点、神山雄一郎はドライなもんだからファンには表面上優しいんだけど、ある線はまったく越えさせないんだよな。吉岡は表面上優しくないのにズカズカと踏み込まれる。そして消耗していく。毛も抜けていく。面白いなあ。 そんな朝練習。昔はそんなもん好きなように見せてもらえたもんだが、最近は見せてくれない場も多くなった。特別だと特観席の売り出し時間が早いんで、特観席買ってから朝練習見るためにスタンドに下りようとすると阻止される。「場外に出られる方以外は特観フロアにいてください!」って、なんか意味あんの? 開門前に忍びこんじゃまずいだろうが(忍びこんだことはある。売店の人のフリして入った。観音寺。でもバンクに油まいたり発走台に火つけたりしてません)、開門してるんだし、売店の人とか放送関係の人とか、どう見たって単なるオヤジみたいのとか、いっぱいいてるじゃんよ。客が十数人朝練習の見学するぐらいかまわんだろう。 で、伊東のふるダビでもいったんは阻止されたが、「場外に食事に行きまーす」って言って特観フロアを出て、そのままスタンド金網まぎわで朝練習の見学をした。見てても別になんにも言われなかった。警備のオッチャンたちは、「規則だからいちおう最初に注意しておく」というのが重要であって、実際誰が見学してようがどうでもいいんだな。 私が見学を始めたのとほぼ時を同じくして、スピードチャンネル販促イベントのキャンギャルが金網ぎわに登場した。カワイコちゃんのナイスバディ。競輪の勝負服に星のパンツ着用である。もう身体にピッタリ!はりついちゃってるのである。たぶん競輪なんかはあんまり知らないんだろうが、物珍しそうに朝練習の見学をはじめた。 いやー、もう、見モノでしたよ。なんか選手がワッと出てきて、いきなりバンク内側でランニングはじめたりして。それもキャンギャルのいる4角にむかってドドドドッと来やがんの。周回練習してる選手もいきなり上に上がってくる。見事なまでのアカラサマぶり。 で、私は三宅伸の朝練習見学のためにそこにいたに決まっている。三宅伸選手の朝練習を見るのはけっこうむずかしく、『月刊三宅伸三宅伸インタビュー』によれば、勝ち上がり戦のある日の朝しか朝練習やらないらしいのである。だから初日とか、特選のあとの二時予選の時とかは見られるわけだが、なんせ最近の調子ではそこまで、ということが多い。 旅打ちをする時は、まさかのために決勝の日に合わせて計画を立てるんだが、やはりむなしく負け戦を見るだけに終わっていたここ数年の特別競輪であった。しかしこの伊東のふるダビは伸ちゃん決勝進出!である。最終日にも勝ち上がり戦に乗っている!のである。それでひさかたぶりに伸ちゃんの朝練習を堪能したわけだ。 その伸ちゃん、キャンギャル登場に気づくと、一緒に走ってた選手とキッチリそちらをむき、ニコニコ(伸ちゃんの笑いは常にニコニコ。ニタニタやニヤニヤはない)しながら通り過ぎる。キャンギャルの10メートル先ぐらいのところにいた私は、せめて目でも合わないかと必死の眼差しで見つめるのだが、私の前を通る時はまだ伸ちゃんの視線はキャンギャルに注がれており、目なんか合いやしねえのだった。やがて男が自転車乗ってるのなんか見飽きたキャンギャルが去ってしまうと、だからというわけではないだろうが三宅伸選手も練習を引き上げていったのだった。そんなんだけど、ひさしぶりの朝練習見学はとっても楽しかったです。 決勝レースが終わったのち、いちおう出待ちもしてみたが、やっぱり待ってる途中でツラくなってしまい(ヤマケンにむかって「吉岡さあ〜ん」と叫ぶギャルとかがおった。児玉広志の上半身裸の写真を胸に抱えるギャルもおった。話題沸騰中の金髪のお二人連れももちろんおった)、帰ってしまいました。でも伊東の駅では有坂に高谷に斉藤正剛、熱海の駅では山田に鈴木に阿部に斉藤秀昭などを見ることができた。できたけど、私にとってはなんの意味もないメンツでした。あ、でも阿部康男のあの脱獄囚みたいな顔は悪くないと思いました。オシャレだと思います。 |
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