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こないだの京王閣記念前節に三宅伸選手がやってきたので当然見にいった。いや、初日と二日目は岩手県なんてとこにいたので(仙台駅の「阿武隈川鮭はらこめし」はすげーうまいぞ)、本場で見られなかったんだけど、岩手から帰ってきて録画しといたビデオを見ると、準決の伸ちゃんの逃げ!がすごい!ではないか。うおーカッコええー! 最後差されたが3着。決勝進出だ。特別だろうが記念だろうがSシだろうが決勝に出てくれるって、なんてウレシイことだろうか。それでイソイソ見にいったわけだが、まあ、その、優勝はできませんでした。 で、京王閣はうちからいちばん近い競輪場なもんだからひとつ出待ちをしてみようかと思ったわけだ。 出待ち。ひさしぶりである。いつだかの玉野のS級シリーズで三宅伸が誘導で出ており、誘導選手出待ちを敢行しようと、2日目に選手出口で待ってみた(誘導選手は毎日家に帰る)。その時以来である。でもタダでさえ出待ちファンの少ない玉野というところにもってきて2日目の、それも誘導員の出待ちなんて、そんなもんだーれもいやしねえ。三宅伸だからいるかと思ったんだが。 それにしても、競輪場の選手出口って、どうしてああ雰囲気がサムイんですかね。立川もサムイしびわこもサムイ。岸和田はサツバツとしている。和歌山も松戸もロクなもんじゃない。玉野は海がすぐそこにあって、風光明媚と言えないこともないが、でもやはりあの出口付近の、いつも木枯らしの吹いてるような雰囲気は、待つ者をたいへん圧迫する。そこに立っていると、だんだん気分がクラくなってきて、子供の頃のツラかった思い出とかが走馬燈のように頭の中をかけめぐる……というほどのサムさ。そんなサムさに耐えかねて、私は三宅伸の姿を見ることなくその場を逃げ出した。しかし競輪場から宇野港までの道ってのがまた、陰気なんだ。港のそばのうどん屋で食べたうどんもまずかった。あー、あの日はつらかったなあ。 ![]()
しかし辛さをこらえて待っていたら、神山が出てきた。神山は人気背負って9着だったせいか終始目を伏せ、そそくさと車に乗り込んでブブーと去っていった。その車がシルバーグレーじゃなくて、鉄色みたいなベンツで窓は総スモーク。うっすらと見える運転席の神山ははっきりいってヤの字の人そのものであった。神山雄一郎といえば輪界を代表する良識の人(見かけも)だと思っていたのだが。しかし鉄色のベンツはこわい。吉岡のベンツは小豆色だと聞いて「なんちゅうセンスしとんや」と思ったもんですが、神山の鉄色のベンツもそーとーなモンでしたわ。 そうこうしているうちに出てきました三宅伸選手。うう、待った甲斐があった。ここんところずっと、三宅伸出現までにめげて帰るか、三宅伸が帰っちゃったのを知らずえんえんと待ち続けるかというどっちにしろスレ違いばかりだったが、やっとご尊顔を拝することができた。いや、金網の中のナマ顔はよく見るけど、金網の外のご尊顔はまた別モノですから。伸ちゃんけっこう人気あって、オヤジや数少ないギャルに記念撮影をねだられたりしていたぞ。伸ちゃんの服装はベージュのコッパンにチャコールグレーのTシャツに紺のシャツ。マジックで「しん」と書いた白いタオルを首にかけ、茶色い革のリュックに、スチュワーデスが空港でひっぱってるような黒のカート。なんちゅうスタイリッシュなことでしょう。 で、だいたい遠征勢はタクシーでお帰りになるんだが、何を思ったか三宅伸様は(さっきから敬称がめちゃくちゃだな)電車でお帰りになるということで、私は思わず金魚のフンみたいにくっついて同じ電車に乗っちゃったですよ(いや、帰るためには同じ電車に乗らないとイカンのですけど)。ご一行は三宅伸に星島太に紫原政文に、たぶん加倉高広(すみません断言できなくて。いかんせん加倉兄のオフの顔などはじめて見るもので……)。もう時間が遅いもんで京王多摩川の駅の競輪場出口も閉鎖になってるから、競輪帰りのオヤジがタムロってる居酒屋が立ち並ぶ道を歩いていくわけだが、選手が歩いててもあんまり気づかれないもんですね。なぜかよく目立つのが紫原でちょくちょく声かけられていた。ああいう顔の人は目立つのだろうか。星島が「オレや小川巧さんはぜったい誰にも気づいてもらえないんだ……」と小声で言っていたのが何か可愛かった。伸ちゃんは競輪場出口のとこにある質屋を見て「おー、質屋じゃ! ちゃんと考えてこういうとこで商売やっとるんじゃ」と言っていたが、競輪ヤラレ客の持ち込む質草など、はいてる地下足袋とかバッタもんの腕時計とかで、それでは商売としてウマミはないんじゃないんでしょうかね。なんて考えるのも今冷静になってるからで、その時は「伸ちゃんの言うことはなんてステキなんだろう」とぽーっとなって聞いておりました。 さて、前置きが長くなりましたが、京王線に乗ってからの伸ちゃんを見ていて、思うことがいくつかあったのでここで書きたいと思います。 その1●三宅伸、まつ毛がくるんくるん。
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