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◆太平洋戦争中、旧日本海軍の軽巡洋艦は連合艦隊の中心戦力から外される傾向がありました。そのため個艦の行動も一般にはあまり知られていません。ですが調べてみると「こんな活躍をしたのか!」と驚くことが少なくありません。南西方面で残敵掃討に活躍した由良。艦前部を失いながらも奮戦した那珂。敵の制空・制海権下、輸送船まがいに陸兵や補給物資を最前線へ運び続けた鬼怒・名取などは、その一例です。もちろん戦争中期まで水雷戦隊旗艦として最前線で戦った神通や川内、阿武隈も忘れてはならない存在でしょう。
◆軽巡洋艦の艦船模型をよく観察してみてください。むき出しの砲盾、味わい深く、どこか郷愁を感じさせる直立煙突のたたずまい。艦橋後部の応急資材格納部から短艇収容区画、カタパルトのあるシェルターデッキを降りて機雷敷設軌条のある後部甲板までの構造物のつながりに、そこでかつてはたらいていた人々の息遣いやぬくもりを感じとれてきませんか?当サイトでは、旧日本海軍艦艇を主に模型を展示していきます。自動車で言うところのライトチューン的工作を基本として、模型を製作していきたいと考えています。
◆艦船模型と並行して、いわゆる美少女フィギュアの製作・展示もします意外とつき合いは古く、きっかけはツクダホビーのジャンボフィギュアシリーズでした。それから長い休眠期間を経て、「To Heart」でスイッチオン!現在に至っています。ここで扱う”フィギュア”というのは、現在造形イベントで最も一般的な素材であるレジンキャストを使用して作られたキットの事を言います。
おもに2Dから3Dを作り起こす作業の「フィギュア」と、図面や写真の入手が困難で、実物が存在せず、存在していても全てを把握することが困難な場合が多い「艦船模型」。少ない情報をどのように解釈し、いかに思い入れ(含煩悩)を込めて創造するかという点で、航空機や戦車などよりも共通項が多いのではないかと考えています。それに言うでしょ?「オンナは海〜」って。(笑)。
(2003/11)
◆おひさでございます。2002年初頭のシェリス・アジャーニ以来「まったくこれっぽっちも」新作をアップしなかった当サイトですが、長い長い休眠状態から回復しましたので、ぼちぼち作業を始めたいと思います。まずは旧コンテンツの発掘・再構成をば。
(2005/2上)
ー巷ではBlogなるものが流行っているので、似たようなことをやってみんとてするなりー
◆秋山瑞人の新作は、あとがき読んでカチンときたので保留。代わりに佐々木少年作画の「真月譚・月姫」を購入してきました。
「PC持ってないのに、エロゲガレキを作らにゃならんという解決不能のジレンマを抱えるMac使いモデラー」の私としては、いきおいレンタルビデオや同人誌を漁ったり、ネットを巡回してキャラクターのイメージをつかむ方法が常套手段となります。Mac用Windowsエミュレーターが3Dグラフィック描画に特化したビデオカードのエミュレートをサポートしないので素直にPCゲーム本編を楽しむことができないのが原因なのですが、毎回この手段をとるたび「PCゲーム本編の正確な情報を持たないまま二次創作物から入るという行為」に疑問を感じています。稀に傑作・怪作と呼べるような出版物に巡り合うこともあるので100%無益とは言い切れない面もある上、そもそもガレージキットというアイテム自体が、すでに「原型師の目」というフィルターを通した二次創作物なので、今さら疑問に思う必要があるのか?という気持ちもあります。それでも、できる限りPCゲーム本編の設定に近づけて作りたいという気持ちは自分の信条にあって、どこで折り合いをつけるかでいつも苦労しています。結局何が言いたいのかというと佐々木少年の月姫コミックはコストパフォーマンスに優れ、PCゲーム本編の疑似体験ができそうだということ。この調子でFate/Stay nightもコミック化されるとうれしいなあ、と、サフ吹き状態で発泡スチロール板に刺さっている凛や、五体バラバラで洗剤に漬かっているアルクエイドを眺めながら、作業が煮詰まってる言い訳を書きたかっただけだったりします。
(近いうちに塗装済完成品が出るよと思いつつ・・・2005/2/14)
◆(前回の補足)法的な解釈はさておき、版権元が監修し販売許諾を下ろすということは、単なるファン活動による創作物がイベントの時間中だけは、オフィシャルな商品に昇華するのだといえるでしょう。この事は原型師を含む造形ファンにとって、とても魅力的で感動的な事であり、貴重な時間ではないでしょうか。ディーラーのみなさんには、イベント出店の根本動機として心のどこかで大切に持っていてほしいと思います。この気持ちさえ忘れなければ、今は無残な土人形でもいつか必ず他人に認められるような立派な作品を完成させることができるでしょう。(2005/2/15)
◆(さらに追加)20年前二十歳だった「オタクと呼ばれていた人」も、今年は四十路を迎えています。少なくとも三十代が主力購買層となっているワンダーフェスティバル(以下ワンフェス)。二十年後の現在もワンフェスから卒業できず、なお「最近のイベント初心者は、当日版権がもたらす恩恵を理解していない。」などと念仏のようにくり返している人々は、他人のコンテンツを利用して作られた二次創作物を甘んじて享受している「自分自身」に忸怩たる思いを感じることはないようです。
◆「無から有を生み出す」「無ければ自分で作る」「誰にも真似できない圧倒的な造形力を発露する」「同じ志を持った者同士が造形作品を媒体にして交流する」場であることがワンフェスの存在意義だ。したがって、「ワンフェスは、単なる物販イベントではない」
そういう夢物語を騙る人間は、ワンフェスの20年間で売られている造形作品の大半が当日版権システムの是非に関係なく(もっとも販売許諾を受けることで、まがい物がオフィシャル品へステージアップするわけですが)本質的に「二次創作物」であるという現実を直視していないとしか思えません。
「ジェットビートルの模型」だろうが「機動戦士ガンダムの模型」だろうが「美少女戦士セーラームーンの模型」だろうが「新世紀エヴァンゲリオンの模型」だろうが「Fate/stay nightの模型」だろうが、どう解釈し、どう表現しようと、それらは元をたどれば他人が作ったコンテンツであり、真にクリエイティブ(=創造的)な作業の成果であるとはいえないでしょう。
それらを媒体に集まる群衆は、ワンフェスという場で販売される「二次創作物」に惹かれたにすぎないことは明白で、別にワンフェスの崇高な理念とやらに求心力があって集まったわけではないということです。ワンフェス20周年記念イベントの中止は、皮肉にも理念のみを声高に喧伝する一部のはねっ返りの認識が世間一般の認識と大きくかけ離れていたという現実を白日の下にさらす結果となりました。
最近、業界人やメディア人と呼ばれる人種の間で、その格差を量る手段も基準も明確でないことを承知の上で「ライトオタク」だの「ヘビーオタク」だのと他人を「オレ基準」で勝手にランク付けし、提唱者である自分自身を他人より高い地位に置いて精神の安定を図ろうとする動きが見られます。オタク市場の商業的な成功を支えているのが、彼らが蔑む「ライトオタク」層の人間たちであるにも関わらずに、です。ワンフェスに関係している主催者・ディーラー・入場者・業界人・メディア人の全てが互いに享受しているコンテンツ自体がヌルい(志の低い)「二次創作物」である以上、それをどう飾り立て、格付けしようとも「舞台に立った時点ですでにヌルい」のであって、どう理論武装を試みようとも見苦しい言い訳にしかならないのです。ヌルいのは個人ではなく、ワンフェス自体がヌルいイベントなのです。まずそれを認めてから議論を始めないと、いつまでも個人攻撃的な罵詈雑言の応酬にしかならないことでしょう。
「後ろめたさが無いオタクはオタクではない」というのが彼らの論拠のようですが、当時のオタクが後ろめたさを感じていた理由は、特撮やアニメやフィギュアの一般認知度が低くマイナーな存在だから、という外的要因よりも、むしろ「自分は創造力が無く、他人のコンテンツに拘泥しているだけの人間だ」という自覚を潜在的に抱いていたからなのではないでしょうか。それはコンプレックスというもので、それを以て「上級オタクあるいは高級オタク」を名乗る根拠にはならないと思います。いまや特撮やアニメやフィギュアの一般認知度は向上し気軽に話題に出る時代になりました。二次創作物的・ガレージキットレベルの表現力を持った完成品フィギュアの商業化も軌道に乗り、イベントでは創造性ゆたかなオリジナルフィギュアが注目を浴びつつあります。対照的に小都市並みの群衆が集まるイベントゆえのモラルハザードや刑法犯すれすれのヤミ行為も取りざたされています。そういう動きの中で、社会的地位と経済力を持つ「後ろめたさをひきずるオールドオタク」が現実を受け入れてどう変わり、どうリードしていくのか?ワンダーフェスティバルの未来は、引き続き彼らの双肩にかかっていると言って過言ではないと思います。現実の問題に即応し、方向性を誤らなければ未来はそう悲観した物にはならないでしょう。
「オタク官僚」的な教条主義・権威主義に陥って時代の変化に対して進歩・発展的に物事を考えることができない老人は、この際潔く引退するのが文明と環境のためだし、イベントそのものの活性化につながるのではないかと私は考えます。(2005/9/24・9/25一部改訂)
◆案の定出てしまいました完成品「あかいあくま」こと遠坂凛。2005年6月の話ですから2ヶ月も昔の話だったりするのはご愛嬌。それにしても最近の完成品フィギュアというジャンルの進歩は目覚ましく、材質も「固くて脆い」コールドキャストに変わってPVC(ポリ塩化ビニル)が主流となっているようです。このPVC製完成品フィギュアの最大の特長は「見た目や触感がソフトである」という点に尽きると思います。まさに人物(女性が多いが)の立体を表現するのに適した素材といえるでしょう。製造コストも安いようで、同じ商品でもレジンキャスト製組立キットの半分にも満たない価格で販売しています。(コールドキャスト製は組立キットとほぼ同額)塗りについてはさすがにプロモデラーの作例と同程度、とまではいきませんがアマチュアの標準的な作例よりはやや上のところまでレベルアップしているようです。時間に追われて生活している現代人にとってはまさに渡りに舟。お気に入りのフィギュアをきれいに作りたい、作りたいが時間が無い、時間が無いけど集めたい、集めるなら平均以上の仕上がりを期待したい。という消費者のニーズにきちんと回答を出しているわけですから、当然よく売れるわけです。
と、ここまではいいことづくめですが、実はこのPVC、熱に弱い性質があります。うちのお嬢も日中冷房が止まる室内に飾っておいたところ、格闘女王としての責任の重さに耐えかねたか、膝下から見事にグニャリと折れ曲がってしまいました。しからば「あかいあくま」は?見ると、曲がってない。どうも素材を変えて強度を確保しているようです。
そんな「あかいあくま」の勝因はオーバーニーソックス。
強度の違う素材を使い、コストも抑制し且つ消費者に気づかれないよう配慮するという課題を全て解決できるコスチュームだったのでした。無理やりだなあ。
1990年代の不動産取引のように”土地転がし”ならぬ”ルナ転がし”が社会問題化している「ルナマリア・ホーク」も、よくよく見るとオーバーニーソックス。ファンの嗜好に応え、製造メーカーにも優しいこのコスチューム。デザイン的にもカラーリング的にもよいアクセントとなり、ゴシック・アンド・ロリータ (Gothic & Lolita)ファッション の一要素としても認められているように、着用する人物の性格や心理状態を視覚的に表現するのにも有効な手段のようです。好き嫌いは別として”ファッション”という視点からキャラクターをデザインするという手法は、これからも時代に合った形で継承されていくものと思います。そういう視点でフィギュアというサブカルチャーを観察するのもおもしろいのではないかと思います。(2005/8/6)
#シェリス・アジャーニもオーバーニーソックスだ・・・。
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◆で。
朝食のあと、今後の方針をきっぱりと口にした。
「なに、Windowsを買うだと?」
「ええ。何か問題あるかしら。」
「・・・問題はないが、しかし、それは」
ごくり、と咽を鳴らした男はそれきり黙ってしまった。
静かにティーカップをテーブルに置く彼。
紫がかった紺色の瞳を当てどなく虚空に漂わせている。
見るからに何か言いたげな雰囲気。
こちらから動くのを期待しているようにも見える。
でも、何もしてあげない。するもんですか。
くちびるを、1ミクロンだけゆがめて笑う。
ふふん。悩め悩め。
テーブルを挟んで対峙している男は、岩場で砕け散る波のように逆立った髪を、指で無造作に掻き上げながら思案にくれている。
そして、
---はあ、と大きくためいきをついた。
「すまない、すべて俺が悪い。君がそんなに追いつめられていたことに、今日まで気づくことができなかった。」
「え?」きゅん。やだ。なに。
いつもは傲岸不遜の代名詞のような彼が、わたしの前で膝をついている。
たまにはこういうのも悪くないわね。
「ところで、アップルリサイクルセンターへはもう電話したのか?」
「へ?」
やれやれ、つきあいきれないぜ。と言わんばかりに彼は肩をすくめた。
「10年以上Macintoshを人生のよきパートナーにしてきているのだから、Appleのホームページを一度も見た事が無いとは言わせないぞ。2001年の「改正リサイクル法」施行で、事業系ユーザからのパソコン回収、再資源化がパソコンメーカーに義務づけられたことに対応し、Appleが「アップルリサイクルセンター」を設置したのは知っているな。さらに2003年からは「改正リサイクル法」に基づいて家庭向けパソコンの回収・リサイクルも「アップルリサイクルセンター」で行なうようになったんだ。まあ市井の家電量販店やリサイクルショップでも買い取りをやってはいるが、多くはWindowsマシン限定だ。仮にMacintoshも買い取る店があったとしても。いいか?あったとしてもだぞ。二束三文で買いたたかれるのがオチだ。」
手の平をひらひらさせる素振りが勘に障る。
「・・・・・・。」
「もうひとつ方法がある。ネットオークションだ。Old Macintoshの個人売買と言ってもよかろう。マニアやコレクター垂涎の機種なら、性能の善し悪しにかかわらず高額で落札してくれるかもしれない。経済的に貧しい・・そう、まるで君の」
ぴく。
「いや、失敬。思ったことをつい口に出してしまう性分でね。」
にやにやと笑う男。わたしは懸命にこらえて相手を睨みつけた。
「それにしても、今さらWindowsのどこに魅力を感じたんだ。ソフトがたくさんあるからか?良く考えてみろ、Windowsのベストセラーソフトの10本のうち8本はアンチウイルスソフトかクラッシュリカバリーのソフトなんだ。これはなにを意味するか、そうWindows用ソフトのベストセラーの大半が、Windowsを正常に動かすためのものか、そうでなくなったマシンをクラッシュから復帰させるために作られたユーティリティなんだ。海の向こうじゃMicrosoft Windowsのことを「最も挑戦的なゲーム」と呼ぶヤツもいるって話だ。コンピューティングはOSの子守りと同義なのか?違うだろ。少なくともMacを使っている連中はそうは思っていないはずだ。」
赤い外套の男はしゃべり続ける。
「それともなにか?Macintoshはシェアが少ないから?冗談、いいか?ビジネス存続の鍵はシェアじゃなくて利益にあるのだ。Packerd Bellはどこへ消えた?米国NECは?Compaqは?ついでに言うと少なくともAppleは、スバルやBMW、Volvo、Mercedes、Jaguarよりもシェアが多いんだぞ。」
「--------」
沸騰しそうな頭をなんとかクールダウンして、このうんちく野郎を睨みつける。胸が小さくて悪かったわね。パッドをいれたり矯正ブラをつけるなんて恥知らずな真似がこのわたしにできると思ってんの?わたしの胸は小さいんじゃないの、かわいいの!ったく・・・
「たとえば君は、近所でAudiの新車を買ったばかりの人に「え? Audiを買うなんて驚いたなあ。まだつぶれずに残ってたんですか?ありゃクルマじゃなくて何かの冗談でしょ。本当のクルマを買いなさいよ。私のToyota Priusみたいなね」なんて言うのか?失礼だし不適切きわまる会話だと思わないか?ところが、そんな世間の常識が通じないのがパソコンの世界というヤツで、君がこれまで幾多のWindows人間たちから、どれほど精神的な嫌がらせを受けてきたか察するにあまりある。だが、今朝まで君はMacintoshを使っていたじゃないか。なんで裏切る必要がある。君にとってMacとは、」
あーもうだめ。ガマンできない。
「そうよ。昔も今もこれからも、Macintoshはわたしの人生にとって大事なパートナーよ!そんなコトあんたに言われなくてもわかって、いるわ、よ!!」
だんっ!思いっきりテーブルを叩いた。
「わからんな。じゃあ、なんでWindowsなんか欲しがるんだ?」
明らかに不満そうな表情でアイツが聞いてきた。
う、それは・・・
自分でも耳まで真っ赤になったのがわかる。スカートの裾をきゅっとつかんだまま身体が硬直していく。
「ふむ。いや、もういい。だいたい予想がついた。」
「・・・・・・ちょっと。なに笑ってるのよ、アンタ。」
「なに、君の口から本当の事を聞きたかったのだが、もうそんな必要はなくなった。部屋の隅にある箱・・・もう買ってしまったようだな、君は。」
ギックーーー。イヤな汗が背筋を流れた。
「---hpか。てっきり日本製Windowsマシンを買ったのかと思ったが、君にしては適切な選択だったな。」
言うが早いか、ちゃっちゃと箱を解体しはじめた。
「・・・・・・」
「ふむ。値段の割に性能も申し分ない。なかなかバランスのいい製品を選んだようだな。初心者にしては上出来だ。」
「と、当然でしょ。」
色々とつっこみどころはあるんだけど、今はあえてスルーすることにしよう。一応ほめてくれているようだし。
「内部へのアクセスも容易だし、・・・む。」
「なによ。このわたしが選んだ製品になにか不満でも?」
「拡張スロットが無い。」
「ああ、そんなもん。わたしの野望達成には邪魔なだけよ。」
気にしないでティーカップに手を伸ばす。
「君がそこまで断言するからには、何か考えがあってのことだろうとは思う。しかしいいのか?最近のゲームはグラフィック統合型のチップセットでは動かない場合もあるって話だぞ。」
「ーーーーーー!」
思わずソファから立ち上がってしまう。この反応だけでアイツはわたしの野望に気づき、確信しただろう。
でも、もうそんなこと大した問題じゃない。
座りなおす気にもなれない。
照れかくしに紅茶を淹れてる場合でもない。
今は行動あるのみ!
私は走った。
二階へ、
廊下へ飛び出す。
二階へ、
スリッパが片方脱げても。
二階へ、
スカートの裾が乱れても。
二階へ、
二階へ、
二階へ、
二階へ、
・・・
んもう、なんだってこの家はこんなに広いのよ!
膝やすねにアザをつくりながら階段を駆け上がる。
「扉が、開かない!?」
取っ手を回しているのに手応えがない。
朝食を食べに居間へ下りた時は普通に開いたわよ、ね?
主の帰還を拒絶するかのように押しても引いても開かない扉。
残りのスリッパをつかんで床に叩きつける。
「あーーっ!もうっ、めんどくさいっ!」
どかーんと蹴破って中に飛びこむ。
そのままベッドの上にダイビング。
ふかふかの枕の下にそれは、
「あった。」
白い長方形の箱。艶のある表面が照明に反射して鈍く光っている。
思わずきゅーーっと抱きしめる。
ーーー神様ーーーっ。
おそるおそる箱を裏返す。
・・・
外部AGPビデオボード・・・。
が、ががが、外部?
外部っていったらアレよね?内蔵ビデオのことじゃないわよね。
がーん。衝撃が頭蓋から脊髄を突き抜けた。
全身の力が抜けて、そのまま後ろに倒れこむ。
「あは、あは、あはは。」
わたしは祖先から受け継いだ「ここ一番に、信じられないような大ポカをしでかす」DNAを呪った。
天井が霞む。
温かいものが頬をつたう。
いくら泣いても現実は変わらない。
時計の針を戻すことはできない。
起きてしまった過去の前では、人はあまりにも無力な存在なのだ。
-----FIN
(2005/8/20)
「おい。」
悲劇のヒロインの視界に、皮肉屋が天地逆さまで飛び込んできた。
ひゃああ!!!思わず飛び上がり光の速さで壁に後ずさった。
「な、なによいきなり!レディの寝室にノックもしないで入ってくるなんて、アンタの辞書にはデリカシーって言葉が無いのっ!」
頬を真っ赤にしながら叫んだ。
「ノックしようにもドアが無いんだ、仕方があるまい。」
赤い外套は、無遠慮に痛いところを突いてきた。
「う、うるさいわねっ!だいたいこうなったのはアンタにも責任があるんだからねっ。」
無茶苦茶な言い分だと言いたそうな表情を見せながら、アイツはわたしが1ミリ秒前にいた場所に転がっている白い箱を拾い上げた。
慌てて袖で顔をこする。見られてないわよね、涙。
「・・・すいしょう」
な、何言ってるのよ、こいつ。
「聞こえないのか?外部AGPビデオボード推奨。一応遊ぶことはできるようだ。よかったな、先行投資が無駄にならなくて。」
「へ?」
ぽかん、と口を開けたままのわたし。
そのまま数秒固まる。
「ぷっーーーはは、あはははははは」!」
不意にこみあげる笑い。なんだ、そう、そうだったの。
「まったく。その早とちりな性格、なんとかならないのか?」
ベッドの隅にどかっと腰掛けるサーヴァント。
「ふふ、結果オーライってやつよ。さて、そうとわかればセットアップよ。ー持ってきて。」
「!?。私が?」
「当然よ。あ、それとなんか食べ物買ってきて、これから2,3日部屋に篭るからそのつもりで。」
「学校はどうするんだ?」
「休むわよ。アンタから結核とか不治の病とかテキトーに電話しといて。」
「・・・やれやれ。」
肩をすくめて部屋を出ていく赤い奴。
くふふ、見てなさい。わたしをヒヤリとさせたお返しは4倍にして返してやるんだから・・・。
その先に、間断なきフリーズと無限リセット地獄が待っていることを2人は知らない。
(2005/8/21)
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(C)TYPE-MOON
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◆Fate/stay night.です。
hpのe-pc(PentiumIII-800・Win98SE)で動かしてます。 どこぞのビルさんが「バグは仕様だ」と強弁したOSだけに漢字Talkでも体験したことがないような怪奇現象に毎晩遭遇してます。
ゲーム1本インストールしただけで、Windowsが終了できなくなったり勝手にゲームが止まったりするのですが、それがたった1日で延べ15回も起きるなど、誰が想像できたでしょう。
なにかにつけて「不正」「不正」。使用者が故意に不正をしたと決めつけ、どこが問題なのかは明確にせず、使用者自身による問題解決を拒絶し、全てをメーカーの有償サポートに丸投げしているダイアログボックス、日本語へのローカライズの甘さなどが目について非常にムカつきますが、「あうう、ごめんなさーい」とか「はわ〜、またやってしまいました」とか、かわいげのある反応をすれば、ちったあ許す気になるかも。
いつ固まるかわからないOSでは、ゲームに集中することは不可能です。ゲームをやるならプレイステーションで遊ぶ方が賢明だろうと思いました。ドリームキャストでもいいけどねw
すでにお気づきかと思いますが、上の駄文はFateのヒロインw遠坂凛とそのサーヴァント、アーチャーが自らFateに興じるとしたら?という光景を想像して書きました。完全に主観で描いてますのでツッコミ不可です。豪邸のおてんば娘と居候の美青年(マテ)という、昔の少女マンガのようなシチュエーションがほほえましいですな。大好物ですこーゆーの。
#Microsoftの新しいOSは、グラフィック統合型のチップセットでは動作しないとか。もうなにがなんだかw
#「ホロウ」は光学ドライブを交換しないと遊べない・・。
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◆静かに灯を点しているのは、月の光。
「・・・・ん・・・・あ。」
ぎしっ、ぎ。
「あ・・ぅ・・ん・んっ・・・」
揺れるカーテンの向こうがわ。
「っ・・・ん・・・んん・ん・・」
薄明かりを浴びて、蠢く影。
「・ん・く・・・・ぅ・ん・・・・っ」
やわらかで繊細な頂が、微かに震える。
「く・・・・・・・・、、あ、っ」
まるで宝石箱をひっくり返したように汗が煌めいた。
冬木市深山町。外国との交易で栄えたこの町は、古くから外国人が移り住んでいたこともあり洋風の町並みが特徴となっている。
そんな洋風住宅が建ち並ぶいわゆる「山の手」に、ひときわ壮麗な洋館が存在する。魔法霊地管理者の家系で、通称「遠坂の屋敷」である。
その屋敷の屋根の上で、ビロードの服を着た娘と彼女の使い魔らしい赤い騎士が佇んでいた。娘の名前は遠坂凛。弱冠18歳にして遠坂家六代目の当主である。
「わたし、汗臭く・ない?」
凛は傍らの青年騎士にそっと尋ねた。
「別に。凛の匂いは好きだ。」
「ど、どうしてそういう事がさらっと言えるのよ。ばか。」
黒褐色の髪が揺れ、ぷいっとそっぽを向く少女。頬に紅みが差したのを認めつつも、赤い外套の騎士は涼しい顔で言葉を続けた。
「遠坂という家名の保持に綿々とし、非情さに欠け、感情に流されやすく、つめが甘い。沈着なように見えて激情家だし、朝弱いし、人使いは荒いし、わがままだし、小うるさいが、君は希代の魔術師だ。」
「・・・ほめるのとけなすのを一緒にしないでくれる?」
そっぽを向いたまま反撃を試みる凛。
「ふん。そんな我がマスターのイレギュラーな生き方を心のどこかで認めてしまっている私自身、イレギュラーな使い魔ということになるのだろうな。」
「・ありがと。」遠回しな言い様だが、凛は素直にうれしかった。
夜風が二人をそっとなでた。火照った頬に心地いい。
「・・・いい風ね。」
「そうだな。」
ぎしっ、
ぎっ、
ぎ。
「・・・・・・セイバー、もう少し静かにできない?」
凛は、顔を両膝の間に埋めて絞り出すように抗議の声をあげた。
ぎし、ぎ。
耳障りな音が、ぱたりとやんだ。
「今の言葉は聞き捨てなりませんね。遠坂凛。」
落ち着き払った口調に似合わない、少女のような風貌の女性が屋根裏部屋の窓からひょっこり顔をのぞかせた。
固い意思を秘めた瞳はエメラルドのように美しく、輝くようなプラチナゴールドの髪は後頭部でまとめられ、小柄だが引き締まった身体からは”歴戦の勇士”を感じさせるオーラを発散させていた。
何度も顔を合わせているはずの遠坂凛でさえ、しばしば彼女の容姿に見とれてしまうことがある。
「シロウの鍛練のために部屋を提供してくれたことについては感謝しています。しかし、」
1.「私たちはお互いにマスターの命令によって一時的に休戦しています。ですが、いつでも戦える用意をするのは当然の事ではないのですか?」
2.「なぜ私が凛の部屋の掃除を手伝わねばならないのですか?」
3.「・・・シロウとのむつみごとを盗み聞きされるいわれはありません」
4.「他のマスターやサーヴァントが見つからないのに、そんなところで休んでいるのは感心しませんね。」
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