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■2002/03/13 GTA■

しばらく体調を崩していた。肉体的にも精神的にもまいっていた。自分で敢えて体調を「崩した」訳ではないから、体調が「崩れた」というほうが正確なような気もするが、そういう日本語の使い方はないようなので「崩した」としか言い様がない。

そんなことはともかく、先日本屋で立ち読みをしたときのことだ。わしは、クルマのコーナーでぼやっと立ち読みをしていた。そこで気がついたのだが、最近、立ち読みの仕方が汚くなったような気がした。読んだ後、本を元あった位置にきちんと戻さないやつが増えてきたような気がするのだ。平積みの雑誌や新刊本があちこちで投げ捨てられたように散らかっている。縦に収めてある棚の最前列の雑誌の中には、棚の仕切の部分から半分に折れ曲がっているものもある。わしが立ち読みしている間にも、アンちゃんが読み終わった雑誌をばさっと投げ捨てていった。棚の奥にある雑誌を見ようとして手前の雑誌を折り曲げてのぞき込んでいるアンちゃんもいた。タダで読んでいるのだからちっとは遠慮したらどうか。おかげで、折り曲げられた跡が痛々しくてほっとけなくなってしまい、車雑誌の「Engine」を買ってしまった。

「Engine」を見て、久しぶりにカッコ良さに感動した。それは、アルファロメオ156の最強バージョンであるGTAだ。通常の156に対して、バンパー下のスカート、サイドスポイラー、リアバンパーの3箇所にエアロバーツが装着されているのだが、このエアロパーツがめちゃカッコいいのだ。コケ脅し的でなく、美しいのだ。わしにあぶく銭があったら即買いだとすら思った。

そもそも、わしは、エアロパーツなどという無粋なものは、あまり好きではない。エアロパーツ無しで高性能を実現しているフェラーリは、美しい(若干の例外はあるけど。)。ボディーそれ自体がエアロだ。そして、そのエネルギーとエモーションを形で表している。クルマのひとつの理想型だと思う。

しかし、そんなわしでもエアロパーツがカッコいいと思ったクルマがある。最初は、ランチアのWRC最強マシーン、インテグラーレだ。多少劇画チックだが、エボリューションマシーンであることをリアウィングや張り出したフェンダーで示したあの強化型がWRCで4輪ドリフトする姿は、エキゾチックで脳みそをしびれさせた。市販車を巷で見かけても、遠くから一発で認識できた。あまりのカッコ良さにいつもぼう然として見送った。そういう時のわしは、さぞかし間抜けな顔をしていたことだろうと思う。

次は、206のやはりWRCマシーンだ。あのリアウィングは、派手だけどアーティスティクだ。初めて見たときは、やられたと思った。ワイドボディー化されて疾走する206は、エネルギッシュで、見ているだけで心が踊る。あの姿は、わしが206を買うのに重要な役割を果たしたのだ。

これらに比べると、同じエボリューションモデルでも、ランエボなどという日本車は、どこにも美が無い。ただでさえ、デフォルメガンダムの出来損ないみたいなおもちゃ顔なのに、ケツにバカみたいに大仰な羽まで付けている。恥ずかしい。見ているほうが穴に入りたくなる。二十歳過ぎたら乗るものではない。206やアルファロメオの引き立て役の有象無象のひとつだと思えば、別に腹も立たないけど。

などと言いながら、アルファロメオ156GTAは、206のWRCカー、それとランチアデルタHFインテグラーレの雄姿を思い起こさせてくれて、弱ったわしの精神に火をともしてくれたのである。
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アルファロメオ155でイタリア車に入門し、続いてプジョ−206でフランス車に入門した「わし」が自動車ライフをつづったページです。

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