突撃!隣の刀箪笥



水月切り蟷螂兼定

辰之進 様コメント:



 室町幕府の13代将軍義輝は、初代兼定の名刀を一振、所有しておりました。彼は剣豪将軍としても知られ、名刀のコレクターとしても有名でした。
 その彼が、夜半、旅に出るためしばしの暇を告げにきた上泉信綱に『師よ、あの池に映る月を二つに切ることが出来れば、剣の道も素晴らしい事よのう』と言ったらしいのです。すると信綱は、『お安いことでござるよ』とスッと立ち上がり義輝の拝刀(兼定)を小姓から受け取り、池に浮かぶ月を見事にまっ二つに切り、しかもその水面に映る月は、しばらくの間二つに割れたままだったそうです。そんなことがあって、信綱の名声はさらに上がり、その兼定は、『水月切り兼定』と呼ばれるようになりました。
 その後、義輝惨殺をへて、松永久秀の所有となった後、広島の浅野本家の所有となりましたが、赤穂事件の際、巻き添えをおそれた浅野本家から、柳沢吉保に献上され、そこで吉保の手によって現在の拵にされました。その時以来、拵の形容からこの兼定は、『水月切り螳螂兼定』と呼ばれるようになりました。
 吉保没後、いろいろな経過の後、この兼定は田沼家の所有となりましたが、我が先祖が田沼家の「ある出来事」に係わり、その褒美として田沼より下され、現在まで我が家に伝わっております。
 田沼家の「ある出来事」というのは、当家の秘中の秘であり、こればかりは公にできません。


 な〜んちゃって!全部辰之進のウソでした(笑)。
:管理人コメント:
 今回は、「武士会」にて、副会長を務められております辰之進さんの御刀をご紹介させて頂きます。
 この御刀は、辰之進さんのイメージ通りのものをオーダーによって実現されました。金具は上品な金工風で、鍔は梅の金工透鍔、小柄と目貫は蟷螂をあしらった揃い物で、どこかの大名の常指を思わせる出来映えです。当刀箪笥には、兼定が多いですが、今回のこの御作は、一風変わった出来で、辰之進さんのご趣味を良く現していると思います。また、この御刀に添えられたエピソードが、一段と想像力を掻き立てて、御刀に対する興味を強くしております。
 この「水月切り蟷螂兼定」は、模擬刀といえども、辰之進さんの特別な想いがこもっております。子々孫々、辰之進さのお家に伝わるとするならば、御刀にとってこれ以上の至福は無いのではないでしょうか。
拵全長 刃長 反り 鞘を払った重量
三尺四寸九分八厘
(約106cm)
二尺四寸四分二厘余
(約74.0cm)
- 約805g
柄部長さ 鞘長さ 元巾 元重ね
八寸七分四厘
(約26.5cm)
- 一寸二厘
(約3.1cm)
二分
(約0.6cm)

刀身材質

硬質特殊合金

木製鮫皮巻

黒石目塗鞘
小柄櫃付き

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