(後編)



 千葉県成田市にあります「房総のむら」。
 前回に引き続きまして、「後編」を記したいと思います。

 当日は、総合案内所の「総屋」さんにて、目的の「甲冑体験」の予約を致しまして、時間があるという事で、前回、回る事の出来なかった「農家」を重点的に拝見致しました。ちなみに、甲冑体験の料金は、なんと、たったの「100円」でした。


上総の農家

 大木戸(出入口)をくぐり、「商家の町並み」と反対方向に歩いて参りますと、小さな畑が見えて参ります。その中に「上総の農家」が建っております。
 施設のパンフレットによりますと、江戸末期に建てられた中二階の主屋を持つ名主の農家を再現しているとの事で、たしかに大変裕福な生活を感じさせる佇まいとなっております。
 長屋門の脇に詰まれております俵は「炭俵」です。石油も石炭も一般的では無いこの時代、燃料といえば植物油か、この「木炭」でした。
 この日は炎天下だったにもかかわらず、主屋の中に入りますと、非常にひんやりとしています。日本家屋がこの高温多湿の日本に向いた作りだという事が実感できる瞬間です。
 写真は、昔懐かしい「囲炉裏」です。今ではこういう施設や地方の宿泊施設等でしか見られなくなりました。夕顔の実で作った炭入れも味を出しております。
 この主屋には屋根裏に中二階があり、主に使用人の寝所となっていたそうです。屋根裏だけにハリがありますが、多分当時の人の身長では問題なかったのでしょう。
 こちらも下に負けず、室内は涼しいです。
 土間には釜戸もあり、ちゃんと火が入っております。
 また当日は、この土間にて「草履編み」の体験をしておりました。
 この他にも敷地内には、馬小屋、井戸、作業小屋、土蔵などがあり、また庭先では、独楽、ベーゴマ、竹馬、輪投げなどの昔の遊びを体験する事が出来ます。
 私も久々に独楽回しをしてみましたが、小さい頃に散々やったものというのは、時が経っても出来るようです。

 農家は、この「上総の農家」の他に、「下総の農家」、「安房の農家」があり、それぞれ地方の特色や生活基準を拝見する事が出来ます。
 写真は、「下総の農家」の作業小屋にある「機織り」です。

 また、現在(2004年7月現在)NHKで放映されております「新撰組!」の撮影でも、この農家が使用されたとの事です。




おまつり広場

 「上総の農家」を後にし、奥に進みますと、「おまつり広場が見えて参ります。こちらでは、季節事のイベントをするそうですが、来場時にはイベントがありませんでした。イベントの無い時は、太鼓を好きなだけ叩く事が出来ます。また、この一帯は文字通り広場になっておりますので、お昼時にはあちこちでお弁当を広げる姿を見かけます。

 「おまつり広場」のすぐ横には、茶店が控えております。炎天下の中を歩いて乾ききった喉を、かき氷やラムネで癒します。
 茶店の外観も、江戸時代の街道茶店のようで、雰囲気も楽しめます。
 茶店の横にある坂道を下りますと、水田と水車小屋が見えて参ります。
 この水車小屋では、実際に玄米の精白をしており、どの様な仕組みで水車が動くのか拝見する事が出来ます。




武家屋敷

 いよいよ予約をしていた「甲冑体験」の時間が迫りましたので、「武家屋敷」へとやって参りました。
 この武家屋敷は、江戸後期の佐倉藩中級武士の屋敷を再現しているそうで、先に行きました農家と併せて見ますと、当時の武士と農民の暮らしの違いなどが良く分かります。

 流石に武家屋敷だけありまして、今には「刀箪笥」が鎮座しておりました。座敷に回りますと、太刀、刀、槍、薙刀等々、武具が満載でした。
 体験用の甲冑の他、計三領ほどの鎧が上座に鎮座しておりました。
 いよいよ甲冑体験です。
 指導員の方に座礼を致しまして、まず、甲冑の簡単な説明を聞き、実際に着用に入ります。
 甲冑は私には若干小さく、特に身甲が小さく苦しかったのですが、とりあえず何とか装着できました。
 着用が終わりますと、写真撮影の時間を頂けます。実際に着用しますと、私が思ったイメージよりも可動部分に障害が無く、非常に機動性が良いと感じました。
 「成る程、これは自分の甲冑が欲しくなる訳だ・・・」と、妙に納得致しました。

 ただ、指導員のお話を伺いますと、やはり甲冑のコンディションを保つ事が難しいと仰っておりました。たしかに拝見しました模擬刀も、鞘の痛みが激しく、何かしらの修理を施したい衝動に駆られます。
 個人的には、もう少し体験料を上げても良いのでは?と感じました。
 また、武家屋敷の離れには茶室がありまして、「茶の湯」体験も出来ます。
 私が参りました時は「遠州流」の方が担当されており、普段なかなかお目にかかれない「武家茶」を堪能する事が出来ました。
 通常は、お菓子とお手前を頂戴して終わりなのですが、遠州流の先生とお話が弾んでしましまして、一時間近く、茶の湯の事、日本刀の事、武術の事など、話に花が咲いてしまいました。隣の妻は正座に慣れていないせいか、相当の苦痛だったようです・・・
 ちなみに、この「茶の湯体験」ですが、お薄と主菓子が付いて500円でした。




 最後に、「総屋」さんの前にて記念撮影。
 こういう施設ですと、着物を着ていても違和感がありませんので、良いですね。
 また、ご覧頂いた通り、大変広い施設です。これだけの内容で、たった三百円の入場料というのは、県営ならでは。お土産も手作りの工芸品が多く、最後まで楽しめました。施設内には、四季折々の草花に溢れておりますので、秋頃にでも、もう一度足を運んでみたいと思います。

関連リンク

千葉県立 房総のむら

戻る