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           ベトベトクライミング・スキンの修復法

スキーシール、いや最近はクライミング・スキンと呼ぶ方が多くなった。シールというのは英語の"seal"。つまりアザラシのこと。昔はアザラシの皮をスキーの滑走面に貼って(取り付けて)スキー登高していた。
 私が子供の頃はまだアザラシの”シール”が健在だったが、今ではアザラシ皮が禁輸製品であるのに加え、耐久性などの観点からもモヘヤやナイロン製が普通になった。
 アザラシは登高に威力を発揮し、また滑走性能もナイロンに比べて優れていると言われていたが、それは今から30年も40年も昔のこと。今のナイロン製のものと比べたら、どちらが優れているかは?である。
もはやアザラシの皮ではないので、「シール」ではなく「クライミング・スキン」と呼ぶようになったのかもしれない。

 また、30年くらい昔までは「取り付けシール」しかなかったが、今ではほとんどすべて「貼付け」だ。むかしヴィネッサというドイツだかフランスだかスイスだか忘れたが、スキーシールを使ったことがある。取り付けシールだった。取り付けシールの弱点は滑走面とシールとの間に雪が入ってしまい、最悪シールがはずれてしまうことだ。さらに問題だったのは、スキーのエッジが取り付け金具(若しくはナイロンテープ)で一部覆われてしまい、エッジを効かすことができずトラバースのときなどスキーがずり落ちてしまって不安定でならなかったことだ。ナイロンのものは、エッジでテープが切れてしまう問題もあったようだ。
 最近のスキンはその点実によくできている。近年はカーヴィング・スキーが当たり前になっていることもあって、スキンはスキーの形状に合わせて自分でカットするようになった。これは面倒くさいが、登高性能は格段に良くなっている。
 しかしながらひとつ大きな問題点も生じている。今の貼付けシールは粘着材でスキーの滑走面にシールを固定するようになっているのだが、この粘着材がベトベト ネバネバになって使い物にならなくなることがある。
 保管の仕方に問題ある場合もあるが、気を付けて使っていてもそうなってしまうことは珍しいことではない。特に春山でスキンがベショベショに濡れたあとにそうなる傾向がある。スキーに貼りっぱなしにして日干しで乾かそうとしては絶対にいけない! 多くの場合粘着材がベトベトになって元の状態には戻らなくなる。でもすぐにスキーから外しても、雨が降っていたりしてスキンを乾かすことができない状態が長時間続くと、やはり同様の結果となってしまう。

 スキンにも当たりはずれがあるようで、乱暴に使ってもあまり劣化しない場合もあるようだ。とにかく最近のスキンは高価なので、扱いには気をつけるようにしよう。またメーカーにはもっと粘着材の改良を要求したい。

 メーカーとしてはG3の人気が高いが、ブラック・ダイアモンドの方を個人的には勧めたい。
 理由は二つ。

1.息子と一泊二日で山スキーに出掛けた。私はブラック・ダイアモンド。息子はG3のスキンを使用していた。5月初めの山は真夏のような暑さ。雪の上を滑るというより水上スキーのような状態だった。もちろんスキンはびしょ濡れ。その日の行動を終えすぐにスキンを陰干ししたが、G3のスキンはベトベトになってしまい、それは翌シーズンの冬までにさらに悪化していた。
 一方ブラック・ダイアモンドの方は全くダメージを受けていなかった

2.G3は粘着材が劣化した場合、自分で補修しようとしても専用の粘着材が販売されていない。ようするにスキンは使い捨てという考えなのだろうか?
 しかし2万円ほどもする商品が2〜3シーズンで買い換えを迫られることは納得できない。
 ブラック・ダイアモンドは専用の粘着材を出している。高額のものではないので、これはありがたい。

 アイロンを使って接着材をはがす方法があるようですが、お店の人に聞いたら「完全には取れない」ということでした。完全に取れなくても、上塗りする接着剤が同じものであれば問題ないでしょう。ですが、G3のスキンにブラック・ダイアモンドの接着剤を塗ってよいものだろうか? やめた方がいいと思う。かつて別メーカーの接着材を塗ってを、接着面をドロドロにしてしまった経験があるからです。

 さて、それではG3のスキンは修復不能なのだろうか? そんなことはありません。それではその方法をお教えしましょう。とにかくカネをかけないでできます。

1.用意するもの
 1)ホワイト・ガソリン
 2)ガソリンをいれる容器(プラスチックまたは金属製で小さめの鍋くらいの大きさがあればいい)
 3)刷毛(ホームセンターなどで売られている100円程度のもので十分)
 4)古新聞紙
 5)スクレイパー(プラスチックまたは金属製:スキー用が望ましい)

2.方法
 1)新聞紙を数枚重ねて敷き、その上にスキンを粘着面を上にしてのせる。
 2)容器にホワイト・ガソリンを数十〜百ml程度入れて、刷毛でガソリンをスキンにたっぷり塗る。
 3)ガソリンが揮発してしまわないうちにすばやくスクレイバーで粘着材を削り落とす。
   (接着剤はドロドロになって、簡単にはがせます。)
 4)2)と3)の作業を3〜4回繰り返し粘着材をきれいに取り除く。
 5)完全に落とすことはまず無理だが、指で触れてベトベトしなければOK。
 6)このあと、一時間程度は乾かそう。ガソリンは揮発が早いが念のため。
 7)きれいになった粘着面にブラック・ダイアモンドの粘着材を薄く塗る。
 8)あとはまる一日は日陰で完全に乾かしましょう。
 9)忘れてはいけないのはスキン・セーバー(チート・シート):編み目のプラスチックシートもガソリンできれいにすること。シートに残っているベトベトが折角塗った粘着材と一緒になると、変質する可能性があります。

 ガソリンの後始末には気を付けましょう。ボロ切れなどに取り、完全に揮発させましょう。間違っても未揮発のままポリ袋などに入れておかないこと。不意に発火して火事とならないよう十分に気を付けてください。言うまでもないと思いますが、粘着材を溶かしたガソリンは絶対にガソリンコンロなどに入れないでくださいね。

ドロドロだったG3スキンがここまで回復しました。これでまだ2〜3シーズンは使えるかな・・・。
滑走面の毛に溶けた粘着材が回り込み、しみ込んでしまうこともある。でも大丈夫! ほとんど性能に影響はでません。
 気になる人はこの上から固形のスキーワックスをぬるといいです。滑りも良くなり、濡れにくくなり、耐久性もアップします。


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